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糖尿病・甲状腺 加木屋たけうち内科
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2022年5月 東海市加木屋町で開院!

前向きな気持ちで通院を継続できる場所へ♪
病気を防ぐ予防医療を重視しています!

マンジャロ注で糖尿病治療が劇的に変わる!?
話題の新薬に迫る【専門医が解説】

9割以上の方が目標血糖値まで改善し、
おまけに通常用量で6kgもの減量が可能…

2型糖尿病治療の治療が劇的に変わる可能性を秘めた「マンジャロ注」が2023年4月に発売されました。

この投稿を読んでわかること
  • マンジャロ注がどんな薬剤か理解できる?
  • マンジャロと他のGLP-1製剤(トルリシティ/オゼンピック)との違いが理解できる
  • 自分に適したGLP-1製剤が理解できる
院長

既存の薬以上に効果が高い薬が満を持してついに登場!
早速解説していきます!

今回ご紹介するマンジャロ注ですが、発売後の急速な需要増に伴いメーカー側からの出荷調整が2023年8月9日現在のところ発生しています。
当院においても新規導入については現在見送らざるを得ない状況になりました。ご興味持たれる方には大変恐縮ですが、本来適応となる2型糖尿病患者さんの元にこの薬剤が届けられる日が来るのを待ち臨んでおります。

目次

GIP/GLP-1受容体作動薬とは何か?

マンジャロの作用機序

インクレチンは、食事を摂ることで腸から分泌され、血糖値の上昇を抑える働きを持つホルモンです。

GIP(Glucose-dependent Insulinotropic Polypeptide)とGLP-1(Glucagon-like Peptide-1)という2つのインクレチンホルモンが存在します。

GIPとGLP-1は、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促進し血糖値の上昇を抑制する役割があります。

GLP-1受容体作動薬は、GLP-1受容体に持続的に働き血糖値を下げる働きを持ちます。
オゼンピック・トルリシティ・ビクトーザ等が挙げられます。

GLP-1受容体のみならずGIP受容体にも作用する薬剤が今回紹介するGIP/GLP-1共受容体作動薬
「マンジャロ」です。

GIP/GLP-1
共受容体作動薬
GIP/GLP-1
両受容体に作用
マンジャロ
NEW
GLP-1
受容体作動薬
GLP-1
受容体に作用
オゼンピック
リベルサス
トルリシティ
ビクトーザ
マンジャロとGLP-1との違い

マンジャロ注の概要と特徴

マンジャロの用量一覧
商品名マンジャロ注アテオス
一般名チルゼパチド
適応症2型糖尿病
用法用量開始量2.5mg維持量5mg
(効果不十分)7.51012.515mgまで増量可
半減期約5-6日と長い
薬価/本1924円/2.5mg
3848円/5.0mg
5772円/7.5mg
7696円/10mg
9620円/12.5mg
11544円/15mg
発売日(2.5/5mg)2023年4月18日
(7.5/10/12.5/15mg)2023年6月12日
マンジャロの概要
ポイント 週1回投与のGIP/GLP-1共受容体作動薬

すぐに使えて操作が簡単な「アテオス」という専用ペンで、1週間に1回投与します。

ポイント 簡単な注射デバイス【簡単3ステップ】

アテオスは針の取付、薬を混ぜるなど準備が不要で、すぐに使うことができます。

ポイント 治療の強化が可能

週1回2.5mgから投与を開始します。
2.5mgを4週継続後、週1回5mg維持用量に変更します。
5 mgを4週継続後、状態に合わせて最大15mgまで増量が可能です。

マンジャロ注の使用方法

トルリシティ注アテオスと全く同じです。

注射器(アテオス)の使い方
  • STEP1 灰色キャップを外す
  • STEP2 底面を皮膚にあて、ロックを解除
  • STEP3 注入ボタンをおす、そのまま10秒程度待つ
投与日の設定
  • 毎週同じ曜日に投与
  • 食事に関係ない
  • 朝昼夕、投与しやすいタイミングを選択可
投与を忘れたときの対応

次の投与予定日まで3日(72時間)以上
すぐに投与して、その後は予め定めた曜日に投与


次の投与予定日まで3日(72時間)未満
忘れた分をとばす、その後は予め定めた曜日に投与

投与する場所

おなか・太ももの外側を推奨
毎回、全く同じ場所に投与せず少しずらした場所に投与しましょう

保管方法
  • 冷蔵庫(2~8℃)に保管
  • 凍結NG もし凍結した場合は破棄
  • 冷蔵庫が使用できない場合、室温(30℃以下)で21日間まで保管可
  • 高温や直射日光を避けて保管
破棄方法

自治体によって異なる(処方を受けている医療機関に確認しましょう)
当院では投与済の注射器を回収し、医療廃棄物として処理しています。

マンジャロ注の利点・注意点

院長

どれくらい凄い薬剤なのか
実際の臨床成績をみていきましょう!

日本人の単独療法長期試験
目 的日本人でのマンジャロとトルリシティのガチンコ対決
【日本人データ】
対 象日本人2型糖尿病患者
糖尿病薬なし/糖尿病薬1剤で管理不良の方
薬 剤マンジャロ:5mg 10mg 15mg
比較対象トルリシティ:0.75mg
SURPASS-J-mono試験

血糖値を大幅に改善90%以上が目標血糖値達成】

マンジャロとトルリシティの血糖改善作用の比較

マンジャロ5mg【標準用量】においてHbA1c値を2%以上も改善させ、90%を大幅に超える方がHbA1c値7.0%未満を達成できています。

(今まで強い効果とされてきた)トルリシティと比較してもその効果は際立っています。

大幅な体重減少作用【標準用量で-6kg】

マンジャロとトルリシティの体重改善作用の比較

マンジャロ5mg【標準用量】にて体重を約6kgも低下させ、高用量15mgではなんと約10kgもの体重減少を達成しています。

トルリシティがほとんど体重は減らないのと比較すると、その減量効果はやはり際立っています。

マンジャロは糖尿病治療薬です

マンジャロは著明な減量効果を併せ持つ薬ですが、あくまで糖尿病治療薬です。

下記のような注意点・副作用があることから、減量のメリットが大きい肥満糖尿病患者さんに限り用いる薬です。

ダイエット目的での安易な使用は大変危険です、絶対におやめ下さい

マンジャロ注の悪い点

スイゾーちゃん

副作用も必ず理解しよう!

マン
5mg
マン
10
マン
15
トル
0.75mg
悪心11.919.620.07.5
食欲減退13.813.321.94.4
嘔吐8.25.111.91.3
下痢17.08.911.36.9
便秘15.117.713.810.7
腹部不快感6.37.010.02.5
低血糖
70mg/dl以下
01.95.00.6
低血糖
54mg/dl以下
001.30
重症低血糖0000
マンジャロ(略:マン)・トルリシティ(略:トル)の副作用比較

消化器症状【最も懸念される副作用で頻度が高い】

GIP・GLP-1受容体作動薬は胃腸にも作用します。

そのため胃腸障害(食欲低下・吐気・下痢・便秘)の副作用が出やすい薬と言われています。

オゼンピック・リベルサスでも同様の副作用が生じやすかったですが、マンジャロでも同様です。

一方でトルリシティは胃腸障害の副作用は他と比較すると軽い薬剤です。

低血糖リスク【他の薬剤との併用時は注意】

マンジャロは高血糖のときに作用することから単独で使用した場合には低血糖リスクが低い薬剤です。

他の低血糖を来しやすい薬剤(インスリン・SU剤・グリニド)と併用した場合には低血糖が生じやすくなります。

費用が高い

マンジャロ2.5mg7696円/月 
の1-3割負担
マンジャロ5mg15392円/月
の1-3割負担
マンジャロ7.5mg23088円/月
の1-3割負担
マンジャロ10mg30788円/月
の1-3割負担
マンジャロ12.5mg39440円/月
の1-3割負担
マンジャロ15mg46176円/月
の1-3割負担
トルリシティ0.75mg11228円/月
の1-3割負担
オゼンピック0.25mg5504円/月
の1-3割負担
オゼンピック0.5mg11008円/月
の1-3割負担
オゼンピック1mg22016円/月
の1-3割負担
在宅自己注射指導管理料6500円/月
の1-3割負担
マンジャロ・トルリシティ・オゼンピックの費用

マンジャロは非常に効果が高い薬ですが薬価が高いです。
用量に正比例して薬価が上昇する為、高用量を使用する場合にはかなり高額になることがあります。

また注射製剤の場合、医療機関に支払う管理料が発生しますし、その他診察料・処方箋料・検査費用等も別でかかります。

2週間毎に通院が必要
【新薬は発売開始後1年まで2週間しか処方できない】

日本の保険診療にておいては発売開始1年までの間は2週間しか処方できない規則になっています。

現在使用したい場合には2週間毎の通院が必要です。

細かく通院が難しい方は発売1年後からの使用開始がおすすめです。

マンジャロと
他のGIP/GLP-1受容体作動薬の比較

トルリシティとマンジャロの違い

同じ製薬会社から発売され、注射器も同じうり二つの両製品ですが、先程示したように特徴が実は異なる薬剤です。

それぞれに棲み分けができる兄弟のような存在です。

【マンジャロ】が望ましい方
・減量を狙う場合
・血糖値をより良くしたい場合

【トルリシティ】がむしろ望ましい方
・痩せていて体重を減らしたくない場合
・消化器症状の副作用が懸念される場合
(高齢者・既に消化器症状がある等)

オゼンピックとマンジャロの違い

続けてこれまでGLP-1受容体作動薬として大きなシェアをもっているオゼンピックと比較してみましょう!

マンジャロ
目 的マンジャロとオゼンピック
のガチンコ対決
【海外データ】
対 象メトホルミン単独で管理不十分な
2型糖尿病患者
年齢:56.6±10.4/歳 
BMI:34.2±6.93
人種:白人-米国先住民-黒人-アジア人 82.6-11.1-4.2-1.3/%
罹病期間:8.6±6.46/年
薬 剤マンジャロ:10mg 15mg
比較対象オゼンピック:1mg
SURPASS-2試験
マンジャロとオゼンピックの血糖改善作用の比較
マンジャロとオゼンピックの体重改善作用の比較
スイゾーちゃん

【結果】
血糖改善作用・減量効果ともに
マンジャロ5mg>オゼンピック1.0mg
【判定】マンジャロの勝ち!

今マンジャロを創薬した会社主導の研究結果ではありますが、血糖改善作用・減量効果ともにマンジャロがオゼンピックを上回っていました。

2020年に登場し、その圧倒的な血糖改善/減量効果により肥満糖尿病患者さんの救世主の一翼を担う立場となったオゼンピックですが、マンジャロはその上位互換的存在であると思われます。

またオゼンピックは針の付替えをする必要がある為、針内蔵のマンジャロのが注射の手間が省け簡単です。
(逆にオゼンピックの付替針は非常に細い為、マンジャロ・トルリシティの注射に痛みがある方はオゼンピックに利あり)

長期処方が可能になる2024年4月以降は
マンジャロが大きくシェアを伸ばすと予想されます。

マンジャロ・トルリシティ・オゼンピック
の違い・使い分け

マンジャロをおすすめする方
  • トルリシティを使用しているが、
    今よりも減量/血糖改善を図りたい方
  • オゼンピックを使用しているが
    注射の手間が大変だと感じている方
  • 2週間毎の通院ができる方
    【発売1年間経過するまで】
トルリシティをおすすめする方
  • 痩せている糖尿病患者さん
  • 消化器症状の副作用が懸念される方
    (高齢者・既に消化器症状がある)
オゼンピックをおすすめする方
  • 減量/血糖改善作用は大事だが、
    2週間毎の通院が難しい方
  • トルリシティ/マンジャロで痛みが辛い方
薬剤名・容量金額血糖改善
オゼンピック
0.25mg
5504円/月
の1-3割負担
この中では最弱
それでも強い
トルリシティ
0.75mg
11228円/月
の1-3割負担
マンジャロ
2.5mg
7696円/月
の1-3割負担
オゼンピック
0.5mg
11008円/月
の1-3割負担
オゼンピック
1mg
22016円/月
の1-3割負担
マンジャロ
5mg
15392円/月
の1-3割負担
マンジャロ
7.5mg
23088円/月
の1-3割負担
マンジャロ
10mg
30788円/月
の1-3割負担
マンジャロ
12.5mg
39440円/月
の1-3割負担
マンジャロ
15mg
46176円/月
の1-3割負担
最強
マンジャロ・トルリシティ・オゼンピック製剤の強さ比較
GLP-1受容体作動薬の在庫消尽の可能性

国内外の需要増などの諸事情により、上記薬剤が全国的に品薄状態が続き2023年3月より入手が非常に困難な状況に陥っております。

日本国内全体の在庫消尽が発生する可能性も出てきており、現在新規導入は困難な状態です。

まとめ

今回ご紹介したマンジャロ注は、肥満で悩む糖尿病患者さんの治療を劇的に変化させる救世主になるかもしれません。

ただ副作用も高率に生じることから使用に慣れた専門医療機関での治療をおすすめします。

肥満に悩む糖尿病患者さんであればご希望があればもちろん当院で処方が可能です。

東海市加木屋町にある糖尿病・甲状腺 加木屋たけうち内科では、積極的に新しい治療を積極的に取り入れて皆さんの糖尿病ライフの向上を目指しています!

この投稿があなたの判断の助けになると嬉しいです。

院長

発売1年までは2週間処方しかできませんが、
ご興味の方はぜひ相談してくださいね♫

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この記事を書いた人

\対話を重ねて「100人100通」のベストチョイスを紡ぎ、あなたと笑顔を交わしたい/
予防医療に力を入れています!

愛知県在住
加木屋たけうち内科 院長
医学博士
糖尿病/内分泌代謝科/総合内科専門医

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