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糖尿病・甲状腺 加木屋たけうち内科
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2022年5月 東海市加木屋町で開院!

前向きな気持ちで通院を継続できる場所へ♪
病気を防ぐ予防医療を重視しています!

【リブレとの違いは?】
リアルタイムCGM/DEXCOM G6【専門医が解説】

2022年12月 リアルタイム持続血糖測定器(DEXCOM G6 CGMシステム:以下「G6」)の保険診療での取り扱いが改定されました。

その結果、インスリン使用中の方であれば、経済的な負担が少なくG6の利用が可能になりました。

2023年3月より当院でもG6の取り扱いをスタートしましたが、他の医療機関でも導入が進み、G6を担当の先生から勧められる事が予想されます。

この投稿ではG6を勧められた方に向けて、G6の特徴を特にリブレとの違いを中心に解説します!

この投稿でわかること
  • リアルタイム持続血糖測定器(DEXCOM G6 CGMシステム;G6)の特徴がわかる
  • G6とリブレとの違いが理解できる
  • 自分がどちらが適しているかが理解できる
スイゾーちゃん

G6?リブレとどう違うの?

院長

今までは施設基準や健康保険の兼ね合いで個人クリニックではなかなか導入が難しかったG6。待ちに待った見直しです!
早速解説していきます♪

目次

保険診療における変更点(2022/12-)

2022年12月からの医療保険制度の改定により下記変更がありました。

従来の持続血糖測定器の保険適応・施設基準

保険適応
・1型糖尿病、妊娠糖尿病、2型糖尿病でもインスリンが枯渇しておりインスリン依存状態の方
施設基準
・5年以上の臨床をもつ常勤の糖尿病専門医、インスリンポンプ療法に従事した経験が2年以上ある常勤の看護師/薬剤師
保険点数
・2640点(10割負担で26,400円)

2022年12月以降の保険適応・施設基準

保険適応
・1日1回以上インスリン治療を行っている方
施設基準
・なし
保険点数
・1250点(10割で12,500円;リブレと同一)*
*医療機関によっては従来の保険のまま維持する施設もありますのでご留意下さい。

まとめると2022年12月から
・インスリン治療中のすべての方が
どの医療機関でも
・今までより経済的に
G6のリアルタイム持続血糖測定器を使用することが可能になりました!

スイゾーちゃん

患者さんにとって
良いことだらけの改定だね♪

院長

そうなんです。
1型糖尿病の通院患者さんが多い当院でも早速導入しました♪

持続血糖測定器(DEXCOM G6)とは

DEXCOM G6 CGMシステムの概要

品名Dexcom G6 CGMシステム
測定範囲40~400mg/dL
センサー使用期間最長10日間
較正必要に応じて実施選択可
正確性MARD 9.0%(後述)
G6の概要

取り扱いメーカーのサイトは以下の通りです。

テルモ糖尿病ケアサイト
G6 オススメポイント3選
  • 正確なリアルタイム血糖測定器
    (スマホ・スマートウォッチへの表示可)
  • カスタマイズ可能な豊富なアラート機能
  • アプリでデータ共有が可能
    (Dexcom Follow/CLARITY)

特徴①
「更正可能なリアルタイム測定器」

G6はrtCGM(real-time CGM)の一種であり、現在の皮下間質液のブドウ糖濃度がリアルタイムに表記され、5分毎に更新されます。専用のモニタの他、スマホ・スマートウォッチ等にもリアルタイムに表示されます。

G6の測定値の精度はMARD9.0%と高く(後述します)信頼性は高いと考えられています。

また血糖自己測定の数値とずれがある場合には更正を適宜選択することができ、血糖更正によって正確性はより高まります。

特徴②
「多彩なアラート機能」

スクロールできます
緊急低値アラーム測定値が55㎎/dL以下の時必須
緊急低値リスクアラート20分以内に低血糖55mg/dlになる可能性がある時オンオフの設定可
高値アラート測定値が設定範囲より高い時120~400㎎/dlで10㎎/dLごとに設定可
低値アラート測定値が設定範囲より低い時60~100㎎/dlで5㎎/dLごとに設定可
急上昇アラート上昇速度が設定値より早い時1-2-3mg/分と設定可
急降下アラート低下速度が設定値より早い時1-2-3mg/分と設定可
G6のアラート機能一覧

低血糖のときに知らせてくれる緊急低値アラームの他、20分以内に55mg/dL 以下になる可能性があることを事前に予測して知らせる、緊急低値リスクアラートを搭載しています。

ほかにも高値/低値アラート急上昇/降下アラートなど、毎日の血糖値管理におけるリスクを低減するために役立つ多彩なサポート機能があります。

アラートのサウンド設定バイブ設定も可能です。

熟睡しているときも、集中しているときもアラーム・アラート機能がリスクを知らせてくれます。

スイゾーちゃん

低血糖の不安が大きい方には
すごく良い機能だね♪

院長

アラーム音で生活を縛られないよう、最初はアラームは最小限の設定にしておき、大事なところに絞ってアラーム設定をまずはしましょう!

特徴③
「アプリでデータ共有が可能」

親しい人とデータ共有可(Dexcom Follow)

Dexcom Followは患者さんのグルコースデータの閲覧や、グルコース状態のアラート/アラーム通知を受信するためのアプリです。

患者さん1人につき、最大10人まで共有できます。

共有者はアラート/アラーム通知の設定を変更することもできます。

院長

1型糖尿病のお子さん・高齢の方を支える家族にはすごく便利な機能ですね♪

医療機関との連携(DEXCOM CLARITY)

Dexcom CLARITYは、持続グルコースモニタ(リアルタイムCGM)システムで測定したグルコース値のパターンやトレンド、統計などの総括的なデータを提供します。

医療機関が発行する共有コードを使って、ご自身のグルコース値を医療機関と共有します。

グルコース値を共有すると、受診時やサポートが必要な際、医療機関からグルコース値がいつでも見られるようになります。

フリースタイルリブレとの違い

G6 vs Libre

これまで主流であったフリースタイルリブレ(以下「リブレ」)との違いを考えてみます。

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持続血糖測定器のタイプ

リブレは「isCGM(intermittently scanned continuous glucose monitoring)」と呼ばれ、スキャンするとその時点(および8時間前までの)での皮下のブドウ糖濃度が表記されます。

G6は「rtCGM(real-time CGM)」であり、現在の皮下間質液のブドウ糖濃度がリアルタイムに表記され、5分毎に更新されます。

正確性

表示された値と、実際の血糖値との間には測定誤差が存在します。

正確性の指標としてMARD(mean absolute relative difference:誤差率の絶対値の平均値)と呼ばれる尺度があります。

MARD値が低ければ誤差が少なく、正確性が高いと判断します。(10%を切るとかなり優秀な部類です。)

リブレはMARD 9.2%との報告されています*(以前はMARD11.4%でしたが改良されました。)。装着初日のセンサが馴染むまで精度が悪く、稀にではありますがかなり誤差の大きいセンサーの存在も報告されています。リブレ単独でなくSMBG(血糖自己測定)を併用することが望ましいと考えられますが、血糖による更正はできません。

*Bailey T et al. Diabetes Technol Ther. 2015; 17:787-794.

一方でG6は9.0%とリブレと大差はありません。ただSMBGの数値とずれがある場合には更正をする機能もついています。3日に1回の血糖更正により正確性はMARD6%台まで高まるとの報告もあります。

院長

リブレもG6もMARD値は現在は大きく変化ありませんが、G6は血糖更正をすることで正確性がより高まります。
私が試した印象としてはどちらも初日は正確性にかけます。
装着後3日間連続→その後3日おきの血糖更正を現時点でお勧めします。

装着当日は、装着部位のわずかな出血・炎症等の影響もあり正確性に欠けることが多いです。
装着初日は血糖自己測定器での値と、G6のブドウ糖濃度に大きなズレが生じエラーとなる例が報告されています。
装着初日の更正エラーが続く方は、装着24時間以内の更正は控える必要がありそうです。

アラート機能

リブレにはアラート機能はありません。

G6は前述の通り多彩なアラート機能があります。

データ共有機能

リブレは医療機関との共有は可能ですが、
患者家族等との共有機能はありません。

リブレもLibreView/LinkUPというアプリにより医療機関、及びすべての方でデータ共有が可能です(2023/11/15 訂正)

G6は医療機関との共有のみならず、患者家族をはじめフォローアプリをインストールしたすべての方とデータ共有が可能です。

装着部位

リブレは上腕部のみ認められています。温度変化に弱いと考えられており、腹部への装着は認められていません。

G6はおなか(17歳以下では臀部もOK)がメーカー推奨です。ただ個人的にはおなかは目立つし、インスリン注射(インスリンポンプ)を行うための場所はなるべく残しておきたいのが本音です。

上腕への装着はメーカーは非推奨ですが、海外では上腕による装着は一般的です。
筆者の個人的な経験としておそらく問題ないだろうと考えています。
(上腕での装着は推奨された使い方ではありませんので、主治医の先生としっかり相談した上で実施を検討下さい。)

交換頻度

G6は10日間測定できます。センサー3個/月です。

リブレは14日間測定可です。センサー2個/月です。

費用

どちらも持続血糖測定器を利用するには
12,500円/月の1~3割負担です。

適応年齢

G6は2歳から、リブレは4歳から保険適応です。

スマホ対応・アプリ

G6のアプリ「DEXCOM G6」はユーザーインターフェース(UI)や操作性等の点でアプリ自体が使いにくい印象を持ちました。またアプリとAndroidスマホとの相性が悪い為、Androidスマホを測定器とすることが出来ず別のモニタが必要になります。

リブレのアプリ「Libre link」の方がUI・操作性ともにより良い印象ですし、シンクヘルスなどのヘルスケアアプリとの連携も可能です。G6同様にAndoroidスマホと相性が悪いのですが、一部のAndoroidスマホは使用可能です。

G6とリブレの違い

以上G6とリブレの違いをまとめてみます。

スクロールできます
項目G6リブレ
持続血糖測定器タイプリアルタイム間欠スキャン式
精度(MARD)9.0%9.2%(以前は11.4%)
較正(ずれの補正)選択可できない
アラート機能あり(多彩)なし
データ共有誰とでも可能医療機関のみ誰とでも可能
穿刺部位腹部(小児は腹部・臀部)
【非推奨】上腕も大丈夫かも!?
上腕
交換頻度10日間14日間
費用12500円の1~3割負担同じ(12500円の1~3割負担)
適応年齢2歳以上4歳以上
アプリ
スマホ対応
アプリがやや使いづらい
Android携帯はアプリ使用困難
アプリが使いやすい
ヘルスケアアプリとの連携あり

DEXCOM G6とリブレの違い
G6をオススメする方はこちら!
  • 精度がより高い持続血糖測定器が欲しい
  • スキャンの手間/不自由を減らしたい
  • 患者さんが小児/ご高齢で
    家族が見守りをしたい
  • 低血糖を自覚しづらく(無自覚低血糖)
    低血糖の危険性がある
リブレをオススメする方はこちら!
  • 常に見られたくない、
    好きな時だけ気軽にチェックしたい
  • 目立ちにくい方がよい
  • なるべく交換頻度は少なくしたい
  • アラート等に縛られたくない
  • Andoroidスマホを使用しており、スマホで血糖値を把握したい

まとめ

  • 2022年12月より保険が改正され、リアルタイム持続血糖測定器(DEXCOM G6)が利用しやすくなった。
  • G6は【①正確&更正可・②アラート機能・③データ連携共有】の3点が特に秀逸!
  • G6/リブレとも良いシステム、甲乙付け難し。
  • 当院では2023年3月から導入スタート!

愛知県東海市加木屋町にあるクリニック「糖尿病・甲状腺 加木屋たけうち内科」では、経験豊富な糖尿病専門医・糖尿病療養指導士が先進医療を用いて糖尿病患者さんの療養をしっかりサポートしています。

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