11月14日は「世界糖尿病デー」【2025年度版】

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世界糖尿病デー(11月14日)の由来


2006年12月20日、国際連合は「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を国連総会議で採択しました。

同時に11月14日を「世界糖尿病デー」に指定し、世界各地で糖尿病の予防・治療・療養を喚起する啓発運動を推進することを呼びかけました。11月14日は国連及び主要国で様々なイベントが開催されています。

なぜ11月14日なのか?

糖尿病治療に大切なインスリンを発見したフレデリック・バンティング博士の誕生日が11月14日なんです。
1921年にバンティング博士はインスリンを発見しています。

全国糖尿病週間

毎年、11月14日を含む一週間を「全国糖尿病週間」として、全国各地で一般向けの講演会や健康相談、街頭での広報活動などを実施します。各都道府県糖尿病協会や友の会が主体となり、地域単位で糖尿病啓発活動を行います。
2025年11月9日(日)-15日(日)

世界糖尿病デー公式サイト

ブルーサークル


世界糖尿病デーのキャンペーンには、青い丸をモチーフにしたブルーサークルが用いられます。
国連やどこまでも続く空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪=サークル」をデザインし、”Unite for Diabetes”(糖尿病との闘いのため団結せよ)というキャッチフレーズとともに、世界中で糖尿病抑制に向けたキャンペーンを推進しています。

世界で6秒に1人の命を奪う糖尿病


ここで世界の糖尿病の状況を紹介します。

  • 2019年 世界の成人糖尿病人口は4億6,300万人(9.3%)
  • 2045年 約7億人に増加と予測。
  • 2019年 世界の糖尿病治療と合併症管理にかかる医療費は世界の総医療費の10%を占める7,600億USD(約83兆円)となり、世界経済を圧迫する要因になっている。
  • 年間実に500万人以上が糖尿病の引き起こす合併症などが原因で死亡しています。
    これは世界のどこかで6秒に1人が糖尿病に関連する病で命を奪われている計算となり、AIDSによる死者に並ぶ数字です。

出典:IDF Diabetes Atlas 9th edition 2019

院長

世界では6秒に1人の命を奪っている…
一般的に死に至る病気との認識は薄い糖尿病ですが、非常に怖い病気なんです。

日本国内での脅威


世界だけでなく、ここ日本でも糖尿病は非常に怖い病気です。

多くの糖尿病患者・予備群

「糖尿病が強く疑われる人」
:約1000万 
「糖尿病の可能性を否定できない人」
:約1000

放置されている糖尿病

高血糖を指摘されたのに「治療を受けていない」人の割合:23.4
働き盛り世代の40歳代男性の未受診/治療中断の割合:約50

2016年 糖尿病実態調査

院長

働く男性世代はなんと約50%が糖尿病を放置している…
なんとも驚くべき結果です。

スイゾーちゃん

糖尿病には痛みなどの自覚症状が少ないから、まぁいいかなーって考えてそのまま放置している人が多いのかな?

院長

そうなんです。自覚症状がないからと放置せず病院に受診しましょう!

ブルーバルーンチャレンジ


インスリンポンプの製造元であるメドトロニック社が毎年行っている企画をご紹介します。

日々の血糖管理を、青い風船を空中に浮かせバランスをとりながら行動することに例えています。

1型糖尿病と共に生きることは、風船を落とさないように空中に浮かせ続けるようなもの。

24時間いつもでも風船(血糖値)を落とさずに行動する、それが生きるために必要なことであったとしても、毎日続けていくことは非常に困難を極めます。

「どんなことでもできる 1型糖尿病があっても」

当院では1型糖尿病を持つ方の人生を豊かにしていく診療を続けて参ります。

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アドボカシー「偏見にNo!!」


社会における糖尿病の知識不足、誤ったイメージの拡散により、糖尿病をもつ人は「特定の属性に対して刻まれる負の烙印=スティグマ」(社会的偏見による差別)にさらされています。スティグマを放置すると、糖尿病であることを周囲に隠す→適切な治療の機会損失→重症化→医療費増→社会保障を脅かす、という悪循環に陥り、個から社会全体のレベルまで、様々な影響を及ぼすことになります。

そこで、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が、糖尿病の正しい理解を促進する活動を通じて、糖尿病をもつ人が安心して社会生活を送り、人生100年時代の日本でいきいきと過ごすことができる社会形成を目指す活動(アドボカシー活動)を展開しています。

アドボカシーとは??

アドボカシーとは、「権利擁護」「代弁」などという意味を持つ言葉。
糖尿病領域においては患者の権利を守り、不当な偏見をなくすために医療者と患者が共に行政や社会の理解を得るために行う活動のこと。

出典:公益社団法人糖尿病協会のホームページより内容を引用

最後に


世界糖尿病デーでは、日本糖尿病学会・日本糖尿病協会が中心となり各地で著明な建造物をブルーにライトアップして、街頭での啓発活動を実施しています。

この投稿をお読みになった方も世界糖尿病デーのイベントに参加して、ご自分やご家族、大切な人とともに、糖尿病について考え、予防にむけた一歩を踏み出していただきたいと思います(各地のイベント情報は下記リンクを参考にしてください)。

最後に日本糖尿病協会作成の糖尿病のファクト動画を紹介します。
「いま、あなたに知ってほしい。糖尿病の真実。」

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この記事を書いた人

\対話を重ねて「100人100通」のベストチョイスを紡ぎ、あなたと笑顔を交わしたい/
予防医療に力を入れています!

愛知県在住
加木屋たけうち内科 院長
医学博士
糖尿病/内分泌代謝科/総合内科専門医

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