
2025年度から帯状疱疹ワクチンが定期予防接種になりました!



私は受けた方がいいの?
- 帯状疱疹という病気とそのリスク
(どんな症状で誰に多い?) - ワクチン接種のメリット
(帯状疱疹の発症/重症化予防効果) - 2種類の帯状疱疹ワクチンの違い
(生ワクチン/不活化ワクチン) - 【65歳が対象】2025年度開始の定期接種制度の概要(対象者・費用など)
- 【65歳以上の東海市民が対象】
東海市独自の定期接種制度① - 【50-64歳の東海市民が対象】
東海市独自の定期接種制度② - 当院での接種スケジュールと予約方法
(WEB予約対応スタート)
ワクチン接種はご本人の意思で行うものです。本記事は医学的観点から帯状疱疹ワクチンの有用性をお伝えするもので、接種を強制するものではありません。ご参考までにお読みください。
【まず結論】帯状疱疹とワクチン
- 帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、過去に水ぼうそうにかかった人なら誰でも発症し得るウイルス感染症です。
50歳から加齢とともに発症リスクが高まり、特に70代の高齢者に多い痛みを伴う病気です。 - 帯状疱疹後神経痛になると発疹が治った後も長く神経痛が残ることがあり、日常生活に支障をきたす場合もあります。
- 帯状疱疹はワクチン接種で予防可能な病気です。ワクチンにより発症予防効果や、万一発症してしまった際の重症化予防効果が期待できます。高齢になってからの「もしも」に備え、ワクチンでしっかり対策できるようになりました。
- 帯状疱疹ワクチンは2種類(生ワクチン【ビケン】と不活化ワクチン【シングリックス】)があります。
当院では両方のワクチンを取り扱っています。 - 2025年度から帯状疱疹ワクチンが定期予防接種化され、公的補助の対象になります。
全国の65歳の方(5の倍数の年齢)は自己負担8,000円(シングリックス/回)または3,000円(ビケン)で接種可能です。 - 東海市独自の公的補助として
65歳以上の東海市民の方は自己負担8,000円(シングリックス/回)または3,000円(ビケン)で接種可能です。 - 東海市の50~64歳の方を対象にした従来の接種補助が維持されます。
50-64歳の東海市民の方は自己負担12,000円(シングリックス/回)または5,000円(ビケン)で接種可能です。
【まとめ】2種の帯状疱疹ワクチンの比較
内容 | シングリックスオススメ | ビケン |
---|---|---|
まとめ | 有効性が高く効果が長い。 しっかり予防したい方向き。 | 効果は劣るが副反応は軽く1回のみ。 副反応が心配な方はこちら。 |
接種回数 | 2回 2ヶ月の間隔をあける | 1回 のみ |
薬の種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
接種部位 | 筋肉注射 | 皮下注射 |
予防効果 | 非常に高い(90%以上) | ある程度(50%) |
持続期間 | 長期間(10年) | ある程度(5年) |
副反応 | やや強い | 軽い |
注意点 | — | 免疫機能が低下している方は接種不可 |
【まとめ】接種費用・補助額
内容 | シングリックス 22,000円(当院自費) | ビケン 8,000円(当院自費) |
---|---|---|
【国の公費補助】 65歳(5の倍数)の方 | 8,000円 14,000円引/自費と比して | 3,000円 5,000円引/自費と比して |
【東海市独自の公費補助①】 65歳以上の東海市民 | 8,000円 14,000円引/自費と比して | 3,000円 5,000円引/自費と比して |
【東海独自の公費補助②】 50-65歳の東海市民 | 12,000円/当院の場合 14,000円引/自費と比して | 5,000円/当院の場合 14,000円引/自費と比して |



順番に詳しく見ていきましょう!
帯状疱疹とはどんな病気?
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、かつて水ぼうそう(水痘)にかかった際に体内に潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスが、何年も経ってから再活性化して起こる病気です。主に体の片側に沿って帯状に広がる赤い発疹(水ぶくれ)が現れ、チクチク・ピリピリとした強い痛みを伴います。発疹は体幹(胸やお腹、背中)に出ることが多いですが、顔や頭部に出ることもあります。
発疹自体は通常2〜3週間程度で治まりますが、神経の炎症による痛みが長引くことがあります。帯状疱疹後神経痛(PHN)は帯状疱疹の代表的な合併症で、皮膚の症状が消えた後も慢性的な痛みが何ヶ月も、時に何年も残ることがあります。この痛みは衣服が触れるだけでも激痛になるなど、日常生活に大きな支障をきたすケースもあります。高齢の方ほどこの神経痛が残りやすい傾向があります。
誰が帯状疱疹になりやすい?
帯状疱疹は成人なら誰でも発症する可能性がありますが、特に50歳以上でリスクが高まります。加齢やストレス、疲労などで免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが暴れ出し発症しやすくなります。帯状疱疹を発症する人は70歳代にピークを迎え加齢とともに患者数が増加します。生涯で約3人に1人が帯状疱疹を経験すると言われるほどありふれた病気ですが、年齢が高いほど重症化や神経痛のリスクが高くなるため注意が必要です。
帯状疱疹ワクチンで予防を!
現在では帯状疱疹はワクチンで予防できる時代になりました。ワクチンを接種することで帯状疱疹そのものの発症予防はもちろん、万一発症した場合でも症状の重症化を防ぐ効果が期待できます。特に帯状疱疹後神経痛になるリスクもワクチンで軽減できると報告されています。痛みで苦しむ可能性を減らすためにも、発症前の予防がとても大切です。
2種類のワクチンがあります
帯状疱疹を予防するワクチンには現在2種類があります。それぞれ特徴や効果が異なります
- 不活化ワクチン(シングリックス®)
-
2020年に発売された新しい帯状疱疹専用ワクチンです。ウイルス成分の一部を使った組み換えタンパクワクチンで、生ワクチンではないため免疫状態に関わらず接種可能です。2回接種(通常2ヶ月間隔)する必要があります。最新の研究では予防効果・神経痛予防効果が非常に高く(90%以上)、効果の持続も10年近くと長いことが報告されています。また、海外では免疫力の低下した方への接種実績も豊富です。デメリットとしては接種後の一時的な副反応が出やすい点があります。多くの方に接種部位の強い痛みや腫れ、発熱・倦怠感などが見られますが、1~3日程度で改善します。
- 生ワクチン(ビケン®など)
-
水痘ワクチン(みずぼうそうのワクチン)を高齢者向けに応用したものです。1回接種で完了します。国内では2016年から帯状疱疹予防に使われています。従来からあるワクチンで安全性の実績はありますが、ウイルスの生きた状態を弱毒化したワクチンのため、重い免疫不全のある方(治療中の病気がある方など)には接種できません。効果の持続はおおむね5年程度とされています。副反応(副作用)は比較的軽く、接種部位の腫れや痛み、発熱がまれに見られる程度です。
内容 | シングリックスオススメ | ビケン |
---|---|---|
まとめ | 有効性が高く効果が長い。 しっかり予防したい方向き。 | 効果は劣るが副反応は軽く1回のみ。 副反応が心配な方はこちら。 |
接種回数 | 2回 2ヶ月の間隔をあける | 1回 のみ |
薬の種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
接種部位 | 筋肉注射 | 皮下注射 |
予防効果 | 非常に高い(90%以上) | ある程度(50%) |
持続期間 | 長期間(10年) | ある程度(5年) |
副反応 | やや強い | 軽い |
注意点 | — | 免疫機能が低下している方は接種不可 |
▶ 効果の違いは?
個人差はありますが、一般にシングリックスの方が帯状疱疹の発症予防効果は高く、長く持続します。一方、ビケンは効果はやや劣るものの接種回数が1回で済み手軽です。
当院ではどちらのワクチンも接種可能です、ご自身に合った方をお選びください。



どちらを受けたほうがよいのか迷っちゃうわ。



予防効果が高く、長期間持続するシングリックスがお勧めです!



どちらも当院で接種可能です!
2025年度から定期予防接種に 🗓️



ここで嬉しいニュース!
2025年4月から帯状疱疹ワクチンが「定期予防接種」に指定され、公費補助が受けられるようになりました。ご高齢の方の帯状疱疹予防を推進するための国の制度です。定期接種の対象となる方は、市町村からの助成を受けて割安な費用でワクチン接種ができます。
①【65歳以上】国の定期接種対象者
下記に該当し、これまでに帯状疱疹ワクチンを一度も受けたことがない方
65歳になる方
(その年度中に65歳誕生日を迎える方)
その年度中に70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方(経過措置)
60~64歳で重い免疫障害がある方
(※該当する特別な疾患をお持ちの方のみ)
対象者には住民票のある市町村から案内が届く場合もありますので確認してください(※自治体によって異なります)。
ワクチン種類ごとに以下の自己負担金で接種できます。
- シングリックス … 8,000円(1回あたり)
- ビケン … 3,000円
② 65歳以上の公費補助対象者拡大【東海市独自の補助制度①】
東海市では独自の支援として、上記の定期接種対象に当てはまらない65歳以上の市民(例:66歳・68歳・72歳・89歳など)の方でも、定期接種対象者と同額の自己負担で接種が可能です。
つまり東海市にお住まいの65歳以上の方ほぼ全員が、公的補助を利用して帯状疱疹ワクチンを受けられる仕組みです。
「私は今年○歳だけど対象外かな?」という方もご安心ください。東海市民で65歳以上(接種時点)かつ帯状疱疹ワクチン未接種であれば、原則どなたでも補助対象になります。これは東海市のとても手厚い制度です🎁
ワクチンの接種費用は公費接種(自己負担8,000円(シングリックス/回)または3,000円(ビケン))と同様です。
③ 50-64歳の東海市民への【東海市独自の補助制度②】
以前から50歳以上を対象にした東海市独自の補助制度については、50~64歳を対象として補助が継続されます。こちらも東海市のとても手厚い制度です🎁
ワクチン種類ごとに以下の自己負担金で当院では接種できます。
- シングリックス … 12,000円(1回あたり)
- ビケン … 5,000円
💰自己負担額のまとめ
内容 | シングリックス 22,000円(当院自費) | ビケン 8,000円(当院自費) |
---|---|---|
【国の公費補助】 65歳(5の倍数)の方 | 8,000円 14,000円引/自費と比して | 3,000円 5,000円引/自費と比して |
【東海市独自の公費補助①】 65歳以上の東海市民 | 8,000円 14,000円引/自費と比して | 3,000円 5,000円引/自費と比して |
【東海独自の公費補助②】 50-65歳の東海市民 | 12,000円/当院の場合 14,000円引/自費と比して | 5,000円/当院の場合 14,000円引/自費と比して |
通常、シングリックスは全額自己負担の場合1回あたり2万円以上する高価なワクチンです。それが公費助成により8,000円で受けられるのは大きなメリットです。
※なお、東海市では生活保護受給世帯の方は自己負担免除となります、該当する方は申請時に市にお申し出ください。
接種までの流れと当院でのご案内 🏥
「帯状疱疹ワクチンを受けてみようかな」と思ったら、以下の流れで準備・接種を進めましょう。
公的補助を受けるには市から発行される予診票(問診票)が必要です。
東海市の場合、接種を希望する方は事前に東海市健康推進課への申請を行い、予診票を受け取ります。
申請はオンライン(以下フォーム)・電話・窓口で可能です。
申請後、対象者であることの確認を経て予診票が郵送されてきます。
① 65歳以上の東海市民
https://logoform.jp/form/JAqd/940130
② 50-64歳の東海市民
https://logoform.jp/form/JAqd/950070
③ 他市町村にお住まいの公費接種対象者
他市町村にお住まいの方は居住自治体で所定の手続きを行えば当院で接種可能です(広域予防接種制度)。
予診票が手元に届いたら、予約を取りましょう。当院かかりつけでない方ももちろん歓迎です!
予約はお電話のほか、LINE/WEBから可能です(初めての方でもご利用いただけます)。
予約時に帯状疱疹ワクチン希望であること、シングリックス・ビケンの希望をお伝えください。
予約日時に当院へお越しください。受付で予診票・本人確認書類を提出ください。問診・診察の後にワクチンを接種します。接種自体は数分で終わりますが、接種後に体調観察のため15分ほど院内で待機していただくことがあります。特に問題がなければ当日のお手続きは完了です。
ご持参いただくもの
帯状疱疹ワクチン予診票
本人確認書類
(マイナンバーカード・健康保険証・免許証など)
お薬手帳(服薬中の薬がある方)
シングリックス2回目用の予診票は1回目接種から約2ヶ月後に市から自動送付されます。
予診票が手元に届いたらご予約をお受け致します。
予約日時になりましたら再度来院し、同様の流れで2回目を接種します。東海市から届いた2回目用の予診票をお持ちください。1回目と比べて2回目接種後の副反応がやや強く出る方もいますが、一時的な反応なのでご安心ください。
接種完了(生ワクチンの方は1回、シングリックスの方は2回接種)です、お疲れ様でした!
接種後、腕の痛みや発熱が出ることがありますが通常は数日で治ります。痛みや熱が強ければ解熱鎮痛薬を用いて様子を見てください。万一、高熱や強い症状が続く場合は当院までご連絡ください。
帯状疱疹ワクチンの効果は徐々に現れ、数週間後には免疫がしっかりつきました。これで帯状疱疹の不安が解消されました!
当院からのメッセージ
- 帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、過去に水ぼうそうにかかった人なら誰でも発症し得るウイルス感染症です。
50歳から加齢とともに発症リスクが高まり、特に70代の高齢者に多い痛みを伴う病気です。 - 帯状疱疹後神経痛になると発疹が治った後も長く神経痛が残ることがあり、日常生活に支障をきたす場合もあります。
- 帯状疱疹はワクチン接種で予防可能な病気です。ワクチンにより発症予防効果や、万一発症してしまった際の重症化予防効果が期待できます。高齢になってからの「もしも」に備え、ワクチンでしっかり対策できるようになりました。
- 帯状疱疹ワクチンは2種類(生ワクチン【ビケン】と不活化ワクチン【シングリックス】)があります。
それぞれ効果の持続や接種回数が異なるので、ご自身の体調や希望に合わせて選択できます。
当院では両方のワクチンを取り扱っています。 - 2025年度から帯状疱疹ワクチンが定期予防接種化され、公的補助の対象になります。
全国の65歳の方(5の倍数の年齢)は自己負担8,000円(シングリックス/回)または3,000円(ビケン)で接種可能です。 - 東海市独自の公的補助として
65歳以上の方は自己負担8,000円(シングリックス/回)または3,000円(ビケン)で接種可能です。 - 東海市民の方は50~64歳の方を対象にした従来の接種補助が維持されます。
50-64歳の東海市民の方は自己負担12,000円(シングリックス/回)または5,000円(ビケン)で接種可能です。
内容 | シングリックスオススメ | ビケン |
---|---|---|
まとめ | 有効性が高く持続期間が長い。 しっかり予防したい方向き。 | 効果は劣るが副反応は軽く1回のみ。 副反応が心配な方はこちら。 |
接種回数 | 2回 2ヶ月の間隔をあける | 1回 のみ |
薬の種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン |
接種部位 | 筋肉注射 | 皮下注射 |
予防効果 | 非常に高い(90%以上) | ある程度(50%) |
持続期間 | 長期間(10年) | ある程度(5年) |
副反応 | やや強い | 軽い |
注意点 | — | 免疫機能が低下している方は接種不可 |
内容 | シングリックス 22,000円(当院自費) | ビケン 8,000円(当院自費) |
---|---|---|
【国の公費補助】 65歳(5の倍数)の方 | 8,000円 14,000円引/自費と比して | 3,000円 5,000円引/自費と比して |
【東海市独自の公費補助①】 65歳以上の東海市民 | 8,000円 14,000円引/自費と比して | 3,000円 5,000円引/自費と比して |
【東海独自の公費補助②】 50-65歳の東海市民 | 12,000円/当院の場合 14,000円引/自費と比して | 5,000円/当院の場合 14,000円引/自費と比して |
帯状疱疹は決して珍しくない病気ですが、高齢の方ほど発症リスクが高まり、合併症で苦しまれるケースも見てきました。「ならないようにする」ことができる唯一の方法がワクチンです。だからこそ、今回始まる定期接種の制度をぜひ活用していただきたいと思います。「まだ自分は大丈夫」と思っている今こそ予防のチャンスです。
当院では帯状疱疹ワクチン(生ワクチン・シングリックス)どちらも接種可能です。東海市の方はもちろん、大府市・東浦町・阿久比町・知多市・半田市・武豊町・常滑市など周辺自治体にお住まいの方で当院通院中の方においては、各自治体にて申請をしていただければ接種が可能です(広域予防接種)。ご不明な点があればお問い合わせください。
痛みと不安のない毎日を送るためにも、帯状疱疹の予防接種を前向きにご検討いただければ幸いです。



ご自身と大切なご家族の健康を守るため、ぜひ予防接種をご活用ください✨一緒に元気に歳を重ねていきましょう!
最新の情報や詳細は厚生労働省や自治体からの発表に基づいて更新される場合があります。