肺炎球菌ワクチンのすすめ
【ワクチンで守れる命がある】

新型コロナ感染症・新型コロナワクチン接種が騒がれる昨今ですが、新型コロナウイルス以外にも気をつけるべき病原体、予防の為に重要なワクチンが存在します。

今回は「肺炎球菌ワクチン」について紹介します。

この投稿で学べる内容
  • 日本における肺炎の現状が理解できる
  • 肺炎を予防する方法が学べる
  • 肺炎球菌ワクチンについて理解できる
  • 肺炎を予防するための接種計画が理解できる
院長

ワクチンで守れる幸せがあります。
新型コロナ一辺倒でなく、他のワクチンについて考えてみませんか?

目次

肺炎球菌による肺炎について

肺炎は主に肺の中の肺胞という部位に炎症が起こる感染症です。

その結果息苦しさを感じたり、呼吸が速くなったり、ときに呼吸困難・死に至ることもあります。

院長

日本における肺炎の状況につき考えてみましょう!

①「肺炎は年間10万人が亡くなる疾患である。」

新型コロナ感染症の危険性ばかりが注目を浴びていますが、肺炎(新型コロナを除く)で年間10万人超の方が亡くなっています。
その数は増加しており、2011年にはがん(第1位)・心臓病(第2位)に次いで肺炎が日本人の死因第3位になりました。

新型コロナ感染症による死者は3年間で累計で約5万と言われていますので、コロナ以外の肺炎にも注意しなければいけないことが分かります。

日本の新型コロナ感染症の累計死者数
46,380人(2022年10月25日時点)

②「肺炎で亡くなる日本人の97.6%が65歳以上

③「肺炎は年齢が上がるごとに死亡リスクが高まる

④「日常び肺炎の原因菌で最も多いのは肺炎球菌

成人が日常でかかる肺炎の原因菌としては、肺炎球菌が一番多いといわれています。
肺炎で亡くなる方(コロナを除く)の97.6%が65歳以上(2020年)であることから、特に高齢者では肺炎球菌による肺炎などを予防することが重要になります。

⑤「肺炎球菌感染症のリスクファクターとは?」

下記の方は肺炎球菌感染症にかかるリスクがあり注意が必要です。

  • 高齢者(65歳以上)
  • 乳幼児
  • 持病(糖尿病・慢性肺疾患・慢性腎臓病 リウマチ・自己免疫疾患・心疾患・神経筋疾患・慢性肝疾患・免疫不全/機能低下)
  • 喫煙者
院長

【65歳以上の方】は肺炎の予防が大切です!

なぜ65歳以上の肺炎予防が大切なのか?

肺炎は年齢が上がるごとに死亡リスクが高まります。

65-69歳が肺炎で死亡する割合は、60-64歳に比べ2.37倍高いと言われています。

肺炎の予防

肺炎予防の為には何を気をしたらよいでしょうか?

毎日の感染予防

  • うがい・手洗い・マスクの利用
  • 歯磨きなどの口腔ケア
  • 誤嚥を防ぐ

免疫力を高める

  • 規則正しい生活(バランスの良い食事・十分な睡眠)をとる
  • 運動をする
  • 禁煙をする
  • 持病のコントロール(糖尿病・慢性肺疾患・慢性腎臓病 リウマチ・自己免疫疾患・心疾患・神経筋疾患・慢性肝疾患・免疫不全/機能低下)

予防接種をうける

肺炎の予防に効果が期待できるワクチンがあります。

ニューモバックス・プレベナー・バクニュバンスNEWの2種類があります。

ニューモバックス

肺炎球菌性肺炎の原因となる肺炎球菌のうち、頻度の高い23種類をカバーします。

肺炎球菌の約70%をカバーすると考えられています。

各自治体で公費で受けられるワクチンです。

効果は長期間持続しないことから5年毎に接種が必要です。2回目以降の接種自体は自費で接種する必要があります。

東海市の方はご自身で手続きが必要です。
対象になるのは「これまでにニューモバックスを打ったことがない市内在住の65歳以上の方(年度末年齢)」です。
詳しくは下記のリンク先をご覧頂き
東海市健康推進課に手続きをお願いします。
東海市のホームページはこちら

院長

(接種案内が自宅に届く市町村もありますが)
東海市在住の方は自ら情報を入手し、自ら手続きが必要になります。
東海市民の肺炎球菌ワクチン接種される方が少ないように感じます。
自分の健康は、自分で守りましょう!!

プレベナー13価

肺炎球菌性肺炎の原因となる肺炎球菌のうち頻度の高い13種類をカバーします。

カバー率は約50%です。ニューモバックスと比べて種類が少なく微妙に感じる方もいるかもしれません。

ただ蛋白結合ワクチンであるプレベナーは長期に免疫を維持させることが期待出来るため、一度接種すれば効果が継続します。この点がニューモバックスと大きく異なる点です。

現在改良版の20価が新発売されたため、13価の役目は終わったと考えます。

バクニュバンス15価

プレベナー13価の改良版です。プレベナーとほぼ々ですが、肺炎球菌の原因菌2種類が追加になっています。

プレベナー20価NEW

肺炎球菌性肺炎の原因となる肺炎球菌のうち頻度の高い20種類をカバーします。

小児の肺炎球菌ワクチンについても2024年10月から定期接種化が決まりました。

2024年10月から当院自費接種もバクニュバンスからプレベナー20価に切替とします。

プレベナー・ニューモバックス・バクニュバンスの違い

ニューモバックス・バクニュバンス・プレベナーの違いをまとめます。

ニューモバックスプレベナー20NEWバクニュバンスプレベナー13
カバーできる
種類
23種類20種類15種類13種類
カバー率約70%約50%約50%
免疫の記憶なし
5年毎に接種する必要性
ありありあり
接種費用
当院の場合
初回1,100円(東海市の場合)
2回目以降8,000円(自費)
接種は1回のみ
費用未定
総額11,000円
接種は1回のみ
4つのワクチンの違い

インフルエンザワクチン接種

インフルエンザ罹患後に免疫力が低下した後に肺炎球菌による肺炎が生じることがあります。

インフルエンザについても予めしっかり対策をしておきましょう。

当院が推奨するワクチン計画

CASE 01. 肺炎球菌ワクチン未接種の方

STEP
プレベナー20

長期免疫を期待できるプレベナー2065歳前に接種する

STEP
ニューモバックス

(6ヶ月~)1年後に公費でニューモバックスを接種する

当院所在地の東海市では65歳以上の任意の年齢でニューモバックスの初回接種が可能であることからの推奨計画です。
自治体によっては満65-70-75-80-85-90-95-100歳の方のみしか公費で接種が受けられないことも多いです。
お住まいの自治体のルールをしっかり確認しておきましょう。

STEP
【リスクが高い方は】5年毎にニューモバックス

通常はSTEP2まででも有効と考えられます。

リスクが高い方(持病がある方、喫煙者、誤嚥リスクがある方)は5年おきにニューモバックス接種を検討しましょう。

CASE 02. 過去に肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)を接種したことがある方

STEP
5年毎にニューモバックス

ニューモバックスは免疫が持続しない為、
5年おきに定期的に接種しましょう。

まとめ

この投稿のまとめ
  • 65歳以上の方は、肺炎球菌による肺炎の予防が大切である。
  • 肺炎球菌による肺炎予防にワクチンが非常に有効である。
  • ニューモバックス(公費)・バクニュバンス/プレベナー13・20(自費)の4種類がある。
  • 65歳前にプレベナー20、その後ニューモバックスの接種計画を当院ではお勧めしています。

当院では予防治療を重視しています。

ワクチンで守れる幸せがあります、この投稿であなたの勇気を後押しできたら幸いです。

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