2024年05月13日 持続血糖測定器「DEXCOM G6」の進化版「G7」が新しく発売されました。
この投稿では、従来機種G6・他持続血糖測定器(リブレ)との違いを中心に、G7の特徴を解説します。
センサーが大幅に進化♫
早速解説します!
- G7の特徴が理解できる
- G6・リブレとの違いが理解できる
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G7はどう進化したのか!?
- センサーの進化(小型化・トランスミッター内臓)
- さらなる高精度化
- (ユーザー目線での)利便性の向上
POINT 01 センサーの進化(小型化・トランスミッター内臓)
60%の小型化 従来比で
目立たずより快適に装着可能
トランスミッター内臓のセンサー
G6ではセンサー装着後にトランスミッターを
追加で装着する必要がありました。
G7では一体化され装着の手間が格段に減りました。
すぐ使える
装着後30分のウオームアップで測定可
トランスミッター内蔵センサーに改良されたのが大きいです!
POINT 02 さらなる高精度化
表示値と、実際の血糖値との間には誤差があります。
正確性の指標としてMARDという尺度があります。
MARD値が低ければ誤差が少なく・正確性が高い
と判断します。
(10%を切ると優秀な部類です。)
装着日 | MARD(%) |
---|---|
上腕後部 | 8.2 |
腹部 | 9.1 |
G6はMARD9.0%と報告されていました。
G7は更に高精度化し、上腕後部の装着にて
MARD 8.2%へと改善しました。
ちなみにG6は腹部に装着する必要があったけど、G7は上腕後部に装着してOK♫
CGM値 | MARD(%) |
---|---|
40-60 | 8.5mg/dl |
61-80 | 6.3mg/dl |
81-180 | 8.9 |
181-300 | 7.2 |
301-400 | 5.4 |
続けては血糖値別の正確性です。
どの血糖値の範囲でも正確だねー
装着日 | MARD(%) |
---|---|
DAY1 | 11.9 |
DAY2 | 8.4 |
DAY4 | 7.2 |
DAY7 | 7.2 |
DAY10 | 7.6 |
DAY10.5* | 6.9 |
最後に装着日別の正確性です。
G7では装着後も精度が維持されます。
G6では10日間使用するとそのタイミングから測定不能となりましたが、G7では10日間の使用後12時間の猶予期間があり、センサー取り換えの際の利便性が向上しています。
センサ装着初日、身体に馴染むまでは精度が少し悪いです。
指先からの血糖値で更正すると「更に」精度が高まります♫
POINT 03 (ユーザー目線にたった)利便性の向上
アラートの進化
機能の一覧 | 内容 |
---|---|
緊急低値リスクアラート | 20分以内に55mg/dl以下になる可能性が生じたら事前予測してアラート |
遷延髙値アラートNEW | 事前設定したアラート値が、事前設定した時間継続することでアラート |
サイレントオールNEW | サウンドの設定で最長6時間消音可能 |
バイブレーション化 | アラートはすべてバイブレーションに変更可能 |
アプリの改良
G6アプリはユーザーインターフェース等が
使いづらいデメリットがありました。
G7アプリはそのあたりが改良されているようです。
G6アプリとG7アプリは異なるアプリです。
G6・リブレ1・リブレ2との違い
G6、リブレ1、リブレ2との違いを考えてみます。
機種 | G7 | G6 | リ1 | リ2 |
---|---|---|---|---|
測定器 タイプ | リアルタイム 5分毎 | 間欠 スキャン式 | リアルタイム 1分毎 | |
精度 (MARD) | 8.1 | 9.0 | 9.2 | |
較正 (ずれ補正) | 可 | ✕ | ✕ | |
アラート 機能 | あり 多彩/改良 | あり 多彩 | なし | あり シンプル |
装着 部位 | おなか/上腕後 どちらもOK | おなか (小児はおなか/おしり) | 上腕後 | |
交換 頻度・手間 | 10.5日間 簡単 | 10日間 ひと手間かかる | 14日間 簡単 | |
費用負担 | 12500円の1~3割負担(すべて同じ費用負担) | |||
適応年齢 | 2歳以上 | 4歳以上 | ||
アプリ スマホ対応 | アプリ改良 | アプリがやや見づらい Android携帯はアプリ使用困難 | 使いやすいアプリ ヘルスケアアプリとの連携あり | |
アップル ウォッチ連携 | 可 | 公式としては不可 煩雑だが抜け道あり | ||
保険適応 | 1日1回以上インスリン治療を行っている方 |
持続血糖測定器のタイプ
G7・G6・リブレ2は「rtCGM/real-time CGM」であり現在の皮下間質液のブドウ糖濃度がリアルタイムに表記されます。
G7・G6は5分毎の更新ですが、リブレ2は1分毎に更新されます。
リブレ1は「isCGM/intermittently scanned continuous glucose monitoring」、スキャンした時点(+8時間前までの)の皮下のブドウ糖濃度が表記されます。
一番いいのはやっぱり1分更新のリブレ2かなー
ずっと監視されている感じが嫌だし、自分の意思でスキャンして知りたいから私はリブレ1が好き♫
正確性
前述の通りG6は9.0%、G7は8.2%と改良されています。
さらにSMBG(自己血糖測定値)とずれがある場合には更正する機能もついています。
リブレ1・2はMARD 9.2%との報告されています*。リブレ単独でなくSMBG(血糖自己測定)を併用することが望ましいと考えられますが、血糖値による更正はできません。
*Bailey T et al. Diabetes Technol Ther. 2015; 17:787-794.
G7は正確かつ血糖値の更正ができるからベスト!
装着24時間以内はセンサが馴染んでおらず測定値と実際の血糖値に大きな剥離が生じ得ます。
このタイミングで血糖更正を行うとエラーとなってセンサが使用できなくなってしまう可能性があります。
エラーが起きてしまった方は装着後24時間以内は更正は控えましょう。
アラート機能
G6・G7はアラート機能が多彩です。設定した値のみならず、20分以内に低血糖55mg/dl以下になる可能性あるとき、急上昇急降下した場合にもアラートしてくれます。低血糖時のアラームは必須でしたが、G7でじゃサイレントモードが設定できるようになりました。
リブレ1はアラート機能はありません。
リブレ2は簡易的なアラート機能が搭載されます。設定した値でアラームがなりますし、自分の意思でオン/オフ可能です。
G7は一番細かく設定できるし、オン/オフもできるように改良されたので、現状はG7がベストかな♫
装着部位
G6はおなか(17歳以下では臀部もOK)がメーカー推奨です。ただ個人的にはおなかは目立つし、インスリン注射/インスリンポンプを行うための場所としてなるべく残しておきたいのが本音です。
G7はおなかのみならず、上腕後部の装着が新たに認められました。
リブレ1・リブレ2は上腕後部のみ認められています。腹部への装着は(センサが温度変化に弱いようです)NGです。
交換頻度
G6は10日毎に交換が必要です。装着にひと手間かかること、センサ以外にも別の部品(トランスミッター)を3ヶ月毎に交換する必要があります。
G7は10日毎に交換が必要ですが、前述の通り追加0.5日間は延長使用できます、
リブレ1・リブレ2は14日毎に交換が必要です。
適応年齢
G6・G7は2歳から、
リブレ1・リブレ2は4歳から適応
スマホ対応・アプリ
G6のアプリ「DEXCOM G6」はUIや操作性等の点でアプリ自体がやや使いにくいです。アプリとAndroidスマホとの相性が悪い為、Androidスマホを測定器とすることが出来ず別のモニタが必要です。
G7のアプリはそれが改良されているようです。
リブレ1・リブレ2のアプリ「Libre link」はユーザーインターフェイス(UI)・操作性が使いやすいです。シンクヘルスなどのヘルスケアアプリとの連携も可能です。G6同様にAndoroidスマホと相性が悪いものもありますが、一部のAndoroidスマホは使用可能です。
アップルウォッチ連携
G6・G7はアップルウォッチ連携が「可能」です。
リブレ1・リブレ2は(公式には)「できません」。
リブレ2でリアルタイム測定が可能となったこと
リブレもアップルウォッチ連携ができるように期待。
非公式の情報ですが複数のアプリを介することでアップルウォッチ連携ができるようです。
利用については自己責任でお願いします。
スマホ側
「① FreeStyle LibreLink-JP」(もともとのアプリ)
「② LibreLinkUp」
「③ Gluroo Diabetes Logger」
をインストールして①⇔②⇔③と連携
アップルウォッチ側
「④ nightguard」をインストールして③⇔④と連携
あなたへのお勧めはどれ!?
G6・G7・リブレ1・リブレ2
G7・G6・リブレ1・リブレ2
それぞれのお勧めするタイプは以下の通り。
- これまでG6を使用していた方
- より精度が高いものを希望
- 腕じゃなくてお腹に装着したい
- アップルウォッチで細かく確認したい
- 多彩なアラート機能に魅力を感じる
G7が完全に上位互換なので、
G6→G7に切替がオススメ♫
- 1分毎に血糖変化を細かく確認したい
- アプリ等が使いやすいものが良い
- ヘルスケアアプリ(シンクヘルス等)と同期したい
- Androidスマホ利用者で、スマホでリアルタイム測定をしたい(例外あり)
- 常に測定されているのは心理的に嫌な方
まとめ
- 2024年05月13日 G7が新発売
- 従来機種のG6と比べて【①センサ改良、②高精度化、③ユーザ目線での利便性の改良】が特徴
- G6の上位互換、G6→G7へ切替で間違いない
- 他の持続血糖測定器(リブレ)にも利あり
自分にあった測定機を選ぼう!
愛知県東海市加木屋町のクリニック「糖尿病・甲状腺 加木屋たけうち内科」では、経験豊富な糖尿病専門医・糖尿病療養指導士が先進医療を用いて糖尿病患者さんの療養をしっかりサポートしています。当院でも当然ながら今後G7を導入予定です。
この投稿があなたの選択の助けになれば幸いです!