2023年12月 フリースタイルリブレの進化版(以下「リブレ2」)が新しく発売される予定です。
この投稿では、従来のリブレ(以下「リブレ1」)・他の持続血糖測定器(DEXCOM G6「以下G6」)との違いを中心に、リブレ2の特徴を解説します。
リアルタイム測定はとても嬉しい改良です!
早速解説します!
- リブレ2の特徴が理解できる
- リブレ1・G6との違いが理解できる
リアルタイムCGM/DEXCOM G6【専門医が解説】 2022年12月 リアルタイム持続血糖測定器(DEXCOM G6 CGMシステム:以下「G6」)の保険診療での取り扱いが改定されました。 その結果、インスリン使用中の方であれば、…
リブレ2はどう進化したのか!?
- 1分毎のリアルタイム測定へ
- アラート機能が搭載
POINT 01 1分毎のリアルタイム測定へ
リブレ2の最大の進化は
1分毎のリアルタイム測定です。
スキャン不要で1分毎に
グルコース値をお手持ちのスマホに送信します。
スポーツや運転をする方には
メリット大!!
1分毎は想像以上に便利です!
POINT 02 アラート機能を新搭載
アラート機能が搭載されたことも大きな進化です。
アラートの種類 | 詳 細 |
---|---|
低グルコース値 アラート | 60-100mg/dl の範囲で設定可 |
高グルコース値 アラート | 120-400mg/dl の範囲で設定可 |
受信圏外 アラート | 20分間通信が 途切れると通知 |
アラートのオン/オフを変更可 低・高グルコース値はカスタマイズ可 アラート音も調整可 |
リアルタイム+アラート搭載の
組み合わせは良い進化です♫
1分毎のリアルタイム測定&アラート機能はスマホ単独使用での機能です。
スマホ&リーダーの併用では1分毎のリアルタイム測定ができません。
リブレ2に移行後はリブレはスマホのみで管理、リーダーは実際の指先血糖測定の測定器として利用してください。
従来のリブレ・DEXCOM G6との違い
従来のリブレ(以下「リブレ1」)、DEXCOM G6(以下「G6」)との違いを考えてみます。
リ1 | リ2 | G6 | |
---|---|---|---|
測定器 タイプ | 間欠 スキャン式 | リアルタイム 1分毎 | リアルタイム 5分毎 |
精度 (MARD) | 9.2% | 9.0% | |
較正 (ずれ補正) | ✕ | ✕ | 可 |
アラート 機能 | なし | あり | あり 多彩 |
装着 部位 | 上腕 | おなか(小児はおなか/おしり) 【非推奨だけど】実は上腕もOK | |
交換 頻度・手間 | 14日間 簡単 | 10日間 ひと手間かかる | |
費用 負担 | 12500円の1~3割負担 (すべて同じ費用負担) | ||
適応年齢 | 4歳以上 | 2歳以上 | |
アプリ スマホ対応 | 使いやすいアプリ ヘルスケアアプリとの連携あり | アプリがやや見づらい Android携帯はアプリ使用困難 | |
アップル ウォッチ連携 | 公式としては不可 煩雑だが抜け道あり!? | 可 | |
保険適応 | 1日1回以上インスリン治療を行っている方 |
リブレ1(リ1)・リブレ2(リ2)・G6の違い
持続血糖測定器のタイプ
リブレ1は「isCGM(intermittently scanned continuous glucose monitoring)」と呼ばれ、スキャンした時点(+8時間前までの)での皮下のブドウ糖濃度が表記されます。
リブレ2は「rtCGM(real-time CGM)」であり、現在の皮下間質液のブドウ糖濃度がリアルタイムに表記され、1分毎に更新されます。スポーツをしていたり、運転中などで細かく血糖値を確認したい方には1分毎に変化がわかることはすごく利点です。
G6はリブレ2同様「rtCGM」ですが、更新は5分毎です。
一番いいのはリブレ2かな!?
ずっと監視されている感じが嫌だし、自分の意思でスキャンして知りたいから私はリブレ1のがいいなー。
正確性
表示された値と、実際の血糖値との間には測定誤差が存在します。
正確性の指標としてMARDと呼ばれる尺度があり、MARD値が低ければ誤差が少なく・正確性が高いと判断します。
(10%を切るとかなり優秀な部類です。)
リブレ1はMARD 9.2%との報告されています*。リブレ単独でなくSMBG(血糖自己測定)を併用することが望ましいと考えられますが、血糖による更正はできません。
*Bailey T et al. Diabetes Technol Ther. 2015; 17:787-794.
リブレ2についてはリブレ1と全く同様です。
G6は9.0%とリブレと大差はありません。ただSMBGの数値とずれがある場合には更正する機能もついています。3日に1回の血糖更正により正確性はMARD 6%台まで高まるとの報告もあります。
リブレにて正確性を欠く方は
血糖更生可能なG6推奨です。
装着後3日間連続→3日おきの
更正をお勧めしています。
装着24時間以内はセンサが馴染んでおらず測定値と実際の血糖値に大きな剥離が生じ得ます。
このタイミングで血糖更正を行うとエラーとなってセンサが使用できなくなってしまう可能性があります。
エラーが起きてしまった方は装着後24時間以内は更正は控えましょう。
アラート機能
リブレ1はアラート機能はありません。
リブレ2は上述の通りアラート機能が搭載されます。設定した値でアラームがなりますし、自分の意思でオン/オフ可能です。
G6はアラート機能が多彩です。設定した値のみならず、20分以内に低血糖55mg/dl以下になる可能性あるとき、急上昇急降下した場合にもアラートしてくれます。低血糖時のアラームはオフできず必須ですが、残りのアラームはオン/オフ可能です。
G6が一番細かく設定できるけど、アラームに縛られたくない人はオン/オフできるリブレ2はいいかも♫
装着部位
リブレ1は上腕部のみ認められています。腹部への装着は(センサが温度変化に弱いと言われており)NGです。
リブレ2はリブレ1と同様に上腕部のみです。
G6はおなか(17歳以下では臀部もOK)がメーカー推奨です。ただ個人的にはおなかは目立つし、インスリン注射/インスリンポンプを行うための場所としてなるべく残しておきたいのが本音です。
交換頻度
リブレ1は14日毎に交換が必要です。
リブレ2はリブレ1と同様です。
G6は10日毎に交換が必要です。リブレより装着にひと手間かかること、センサ以外にも別の部品(トランスミッター)を3ヶ月毎に交換する必要があります。
適応年齢
リブレ1・リブレ2は4歳、G6は2歳から適応。
スマホ対応・アプリ
リブレ1・リブレ2のアプリ「Libre link」はユーザーインターフェイス(UI)・操作性が使いやすいです。シンクヘルスなどのヘルスケアアプリとの連携も可能です。G6同様にAndoroidスマホと相性が悪いものもありますが、一部のAndoroidスマホは使用可能です。
G6のアプリ「DEXCOM G6」はUIや操作性等の点でアプリ自体がやや使いにくいです。アプリとAndroidスマホとの相性が悪い為、Androidスマホを測定器とすることが出来ず別のモニタが必要です。
アップルウォッチ連携NEW
リブレ1・リブレ2はアップルウォッチ連携は(公式には)「できません」。
G6はアップルウォッチ連携が「可能」です。
リブレ2でリアルタイム測定が可能となったこと
リブレもアップルウォッチ連携ができるように期待。
非公式の情報ですが複数のアプリを介することでアップルウォッチ連携ができるようです。
スマホ側
「① FreeStyle LibreLink-JP」
(もともとのアプリ)
「② LibreLinkUp」
「③ Gluroo Diabetes Logger」
をインストールして①⇔②⇔③と連携
アップルウォッチ側
「④ nightguard」
をインストールして③⇔④と連携
海外ではすでにリブレ3!?
実は海外では既にリブレ3まで登場しています。
日本でもどんどん新しい機種が入ってくることを期待♫
リブレ3はMARD7.9%とより高精度、大きさも1円玉サイズと小型化された改良版になります。リブレ2が入ってきたばかりで気が早いですが、リブレ3が日本でも使える日に期待しています!
あなたへのお勧めはどれ!?
リブレ1・リブレ2・G6
リブレ1・リブレ2・G6
それぞれのお勧めするタイプは以下の通り。
- 1分毎に血糖変化を細かく確認したいときがある
- Androidスマホ利用者で、スマホでリアルタイム測定をしたい(例外あり)
- 常に測定されているのは心理的に嫌な方
- 精度がより高いものを希望する方
- 腕じゃなくてお腹に装着したい方
- アップルウォッチで血糖値を細かく確認したち
まとめ
- 2023年12月 リブレ2が登場予定
- リブレ2は【①1分毎のリアルタイム測定、②アラート機能】が新機能。
- リブレ1・リブレ2・G6それぞれ利点があり
自分にあった測定機を選ぼう - 海外では実はリブレ3!?
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