大切な家族を肺炎から守るために。2026年度から変わった「肺炎球菌ワクチン」最新トレンド

皆さんは、ご高齢のご両親や大切なご家族の健康管理で、今もっとも注目されている「ある予防接種」をご存知でしょうか?

実は、日本人の死因第5位(年間約8万人)にもなっている「肺炎」。その原因のトップである肺炎球菌から身を守るためのワクチン事情が、今年(2026年度)からガラリと大きく変わりました!

「プレベナー20って何が変わったの?」
「新しく出たキャップバックスっていいの?」
「うちの親は今年65歳じゃないけれど、公費の補助は使える?」

そんな疑問をお持ちの方に向けて、今回は新しくなった肺炎球菌ワクチンの最新トレンドや、知らなきゃ損する地域の独自補助金(東海市や周辺自治体)の情報まで、分かりやすくまとめて解説します。

院長

大切な家族を肺炎から守るために、今知っておくべき最新の予防知識を一緒にアップデートしていきましょう!

目次

🏳‍🌈まず結論


CASE① 公費対象の年齢の方

プレベナー20を確実に接種しましょう!

CASE② 65歳未満の方で重症化リスクが高い方
重症化リスクが高い方
  • 呼吸器の持病: COPD(慢性閉塞性肺疾患)、重度の喘息など
  • 生活習慣病・慢性疾患: 糖尿病、慢性心疾患、慢性腎不全、肝硬変など
  • 免疫の低下: 悪性腫瘍(がん)の治療中の方、免疫抑制剤を使用している方、脾臓摘出した方

上記にあてはまる方は、65歳前にキャップバックスを検討する価値があります。ただ費用の問題もあるため、プレベナー20が打てる65歳まで待つことも選択肢の一つです。

CASE③ 66歳以降で公費接種対象外の方

公費接種時期を逃してしまった世代の方はキャップバックスを1回接種しましょう!

お住まいの自治体に独自補助制度があるかどうかは居住自治体にお問い合わせください。

CASE④ すでにニューモバックスを接種済みの方

最終接種から1年以上の間隔をあけてキャップバックスを追加接種しましょう!
基本的にはそれで完了です、以前のような5年おきの接種は以後不要です。

CASEすでにプレベナー20を接種済みの方

重症化リスクが高い方、②肺炎球菌の予防を確実にしたい方については、キャップバックスを追加接種しましょう!

💡肺炎・肺炎球菌肺炎の現状


ここでは肺炎球菌ワクチンがなぜ重要なのかを、現在の肺炎/肺炎球菌の現状を含めて解説します。

① 年間の肺炎死亡者数「約8万人」(日本人の死因第5位)

厚生労働省の人口動態統計によると、日本国内で肺炎により亡くなる方は年間で約8万人にのぼります。がんに代表される悪性新生物、心疾患、老衰、脳血管疾患に次いで、日本人の死因の第5位となっています。

② 成人の市中肺炎の原因トップ「肺炎球菌」

大人が日常生活の中で発症する肺炎(市中肺炎)の中で、最も頻度が高い原因菌が「肺炎球菌」です。原因が特定できた肺炎の約30%〜40%をこの菌が占めており、単一の病原体としては圧倒的トップです。

③ 肺炎の死亡者「約97%以上」が65歳以上の高齢者

肺炎は特にシニア世代にとって命に関わる病気です。肺炎で亡くなる方の約97%〜98%が65歳以上の高齢者であり、年齢が上がるにつれて死亡率は加速度的に上昇していきます。

④ 健康な人の「鼻や喉の奥」に普段から潜んでいる

肺炎球菌はどこか特別な場所からもらう菌ではなく、健康な成人の約5%〜10%(子供と暮らす世帯ではさらに高い割合)の喉などに普段から常在しています。風邪、インフルエンザ、疲れ、加齢などで免疫力が落ちた隙を突いて肺に侵入し、肺炎を引き起こします。

⑤ 重症化した場合、成人患者の「5人に1人」が命を落とす危険性

肺炎球菌が肺だけでなく血液や髄液にまで侵入して重症化する病気を「侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)」と呼びます。この状態に陥った大人の場合、約22%(およそ5人に1人)が死亡にいたり、約8%に重い後遺症が残るという非常に深刻なデータがあります。

⑥ ワクチンの「定期接種」がアップデートされ対策が加速

高齢者の命を守るため、国は予防接種法に基づく定期接種(公費助成)を行っています。これまでは5年ごとに効果が切れる従来型ワクチンが主流でしたが、生涯に1回の接種で長期的効果が期待できる新型の「プレベナー20」が公費対象となり、国内の肺炎対策は大きな転換期を迎えています。

院長

【65歳以上の方】は肺炎の予防が大切です!

💡肺炎球菌ワクチンの特徴まとめ


ここでは現在の主役である「プレベナー20」、新しく登場した成人特化の最新ワクチン「キャップバックス21」、これまでの定番だった「ニューモバックス23」の3種類を解説します。
(バクニュバンス15、プレベナー13もありましたが、わかりやすさを優先して割愛)

現行の3つのワクチンは、大きく分けると「結合型(免疫が長持ちする新型)」「多糖体(これまでの定番)」の2つのタイプに分かれます。

1. プレベナー20(20価結合型ワクチン)

  • 現在の主役(公費対象)
    2026年4月より、65歳の定期接種(公費助成)の対象に切り替わった最新の標準ワクチンです。
  • 生涯に1回でOK
    免疫の記憶が体に残りやすい「結合型」という仕組みのため、原則として生涯に1回の接種で長期的な効果が期待できます(5年ごとの打ち直しは不要)。
  • カバー範囲
    20種類の原因菌(血清型)に対応しています。

2. キャップバックス(21価結合型ワクチン)

  • 期待の新星(成人に特化)
    2025年10月に発売されたばかりの最新ワクチンです。
  • 成人のトレンドに最適化
    21種類の原因菌に対応していますが、ただ数が多いだけでなく「いま日本の大人がかかりやすい原因菌」を狙い撃ちできるように設計されています。重症化の原因菌カバー率は約80%と、3つの中で最も高いのが特徴です。
  • 生涯に1回でOK
    プレベナーと同じく「結合型」なので、こちらも一生に1回の接種で完了します。
  • 区分
    現時点では任意接種(全額自費)
    より手厚く予防したい方や、持病(糖尿病、心疾患、呼吸器疾患など)がある方向けの選択肢です。

3. ニューモバックス23(23価多糖体ワクチン)

  • これまでの定番(役割交代)
    長年、高齢者の公費接種に使われてきたお馴染みのワクチンですが、2026年3月末で定期接種としての役割を終えました。
  • 5年ごとに再接種が必要
    「多糖体」という仕組みのワクチンのため、約5年でワクチンの効果が落ちてしまうデメリットがあり、これまでは5年おきに何度も打ち直す必要がありました。
  • 区分
    現在は任意接種(自費)。5年ごとにニューモバックス23の接種をしてきた方も、現在は1年以上あけてプレベナー20やキャップバックスを(自費で)追加接種して免疫をさらに強化すれば再接種は不要です。

💡 3秒でわかる比較表

スクロールできます
ワクチン名プレベナー20キャップバックスニューモバックス23
ワクチンのタイプ結合型(新型)結合型(新型)多糖体(従来型)
接種回数生涯に1回でOK生涯に1回でOK5年ごとの打ち直しが必要
成人の原因菌カバー率高い最も高い(約80%)やや低い(約56%)
公費負担の有無あり(65歳の定期接種)なし(全額自費)なし(全額自費)
接種費用公費
東海市:1,100円
その他:3,400円~
自費14,000円自費8,000円

💡肺炎球菌ワクチンの公費接種対象まとめ


① 原則(国が定める「定期接種」の対象)

日本の予防接種法に基づき、全国共通で公費助成(定期接種)の対象となるのは以下の条件を満たす方です。

  • 65歳の方(65歳の誕生日から66歳の誕生日の前日まで)
  • 60歳~64歳で特定の重い疾患がある方
    ※心臓、腎臓、呼吸器の機能、または免疫機能に、自己の日常生活が極度に制限される程度の障害(身体障害者手帳1級程度)がある方。
  • 対象外となる条件:
    これまでに一度も公費制度を利用して肺炎球菌ワクチン(プレベナー20やニューモバックス23など)を接種したことがない方に限られます。

⚠️ 【重要】特例措置は終了しています
過去に行われていた「70歳、75歳、80歳…」といった5歳刻みの経過措置(特例)は2024年3月末で終了しました
現在は原則「65歳の1年間」のみが定期接種のチャンスとなります。

② 東海市の独自補助(任意接種への助成)

東海市では、国のルール(65歳の1年間)で打ちそびれてしまった方に向けて、独自の手厚い救済制度を設けています。

  • 対象者
    66歳以上の東海市民で、これまでに肺炎球菌ワクチンの公費助成を利用して接種したことがない方。
  • 助成内容
    定期接種の対象期間を過ぎてしまった場合でも、市独自の補助により定期接種と同じ自己負担額で接種が可能です。
  • 自己負担額
    1,100円(※生活保護受給世帯の方は免除)
  • 注意点
    東海市の独自補助を利用する場合、「東海市内の実施医療機関」での接種に限られます(市外で接種した場合は全額自費となります)。接種を受ける前に、東海市健康推進課(保健センター)への事前申請が必要です。
東海市公式ウェブサイト

③ 東海市周辺自治体の独自補助(阿久比町・東浦町)

東海市と同様に、周辺の阿久比町や東浦町でも「65歳のタイミングを逃してしまった高齢者」を対象とした独自の任意接種補助を行っているようです(注:筆者調べ)

阿久比町の独自補助

  • 対象者
    66歳以上の阿久比町民で、これまでに公費による肺炎球菌ワクチンの接種を受けていない方。
  • 助成内容
    お一人様1回に限り、定期接種と同等の負担で接種を受けられます。
  • 自己負担額
    3,500円(※生活保護・住民税非課税世帯は免除)

東浦町の独自補助

  • 対象者
    66歳以上の東浦町民で、過去に一度も市町村の補助を受けて肺炎球菌ワクチンを接種したことがない方。
  • 助成内容
    定期接種の枠を過ぎてしまった方に対して、独自の接種費用助成を行っています。
  • 自己負担額
    3,500円(※生活保護受給世帯は免除)
  • 注意点
    任意接種の補助を希望する場合は、事前に東浦町保健センターへの問い合わせ・手続きが必要です。

💡 あなたはどれを選ぶ?おすすめの選び方


CASE 01. 公費対象の年齢の方

まずは定期接種(公費)で安価に受けられる「プレベナー20」が基本の選択肢になります。

CASE 02. 65歳未満の公費接種対象外で重症化リスクが高い方

以下重症化リスクがある方は、65歳よりも前倒しした予防接種を前向きにご検討ください。
一方で費用の問題もあるので、65歳の公費接種を待つのも一つの選択肢です。
接種する場合には、成人に特化したキャップバックスがやはりお勧めです。

重症化リスクが高い方
  • 呼吸器の持病: COPD(慢性閉塞性肺疾患)、重度の喘息など
  • 生活習慣病・慢性疾患: 糖尿病、慢性心疾患、慢性腎不全、肝硬変など
  • 免疫の低下: 悪性腫瘍(がん)の治療中の方、免疫抑制剤を使用している方、脾臓摘出した方

CASE 03. 66歳以降で自治体の公費接種対象外の方

66歳以降で自治体の公費接種対象外の方(前述の通り、東海市や周辺自治体[阿久比町・東浦町など]は66歳以降の方にも独自補助があります)は、キャップバックスを1回投与しましょう。

お住まいの自治体に独自補助制度があるかどうかは居住自治体にお問い合わせください。

CASE 04. すでにニューモバックスを接種済みの方

最終接種から1年以上空いていれば、キャップバックスを1回追加しましょうニューモバックス接種→ 1年以上明けて → キャップバックス接種 によって、肺炎球菌への予防をより広く実施することができるものと考えます。この2回の接種で肺炎球菌予防は、基本的には完了と考えます。 

CASE 05. すでにプレベナー20を接種済みの方

「プレベナー20を打ったから安心」と思いがちですが、実はプレベナー20がカバーしている菌の種類と、キャップバックスがカバーしている菌の種類は一部異なっています。 キャップバックスは「大人がいま本当にかかりやすい原因菌」に特化して作られているため、プレベナー20の後に重ねて打つことで、大人向けの原因菌カバー率をトップクラス(約80%)まで引き上げることができます。

1年以上の間隔を置いて任意接種としてキャップバックスを接種しましょう、それで接種完了です。

📌肺炎になると重症化しやすいリスクがある方(前述の通り)

前述の通りの重症化リスクがある方は、プレベナー20・キャップバックスのどちらも接種していくことをお勧めします。

📌「現在の日本人がかかりやすい肺炎」を完璧にブロックしたい方

「費用がかかってもいいから、とにかく一番手厚い予防をして安心したい」という健康意識の高い方は、検討して頂く価値がある選択肢となります。

よくある質問


プレベナー20やキャップバックスの副反応にはどんなものがありますか?

主に注射した場所の「痛み・赤み・腫れ」や、一時的な「疲労感・頭痛・発熱」などがあります。

副反応がおきたらどうすればよいですか?

接種した当日〜翌日をピークに、通常は2〜3日以内に自然と治まります。

重い副反応(非常にまれ): 万が一の強いアレルギー反応(アナフィラキシーなど)は、接種後30分以内に起こることが多いため、接種直後はしばらく医療機関で様子を見るか、すぐに医師と連絡が取れるようにしておくと安心です。

ニューモバックスの接種をしていましたが今後も5年ごとに繰り返しますか? 

現在は原則おすすめしておりませんキャップバックスの接種をお勧めしています。

ニューモバックス→(1年以上)→ キャップバックスまで終えたら完了ですか? 

原則完了です。以後の再接種は原則行う必要はありません。

ただし、強い免疫抑制治療の開始・無脾・長期透析など状況が変わる場合は、個別に相談が必要です。

他のワクチンと同日接種は可能ですか? 

体調良好であれば、同日接種可です。 

🌈まとめ:大切な家族の健康のために、今できること


今回は、2026年度から大きく変わった肺炎球菌ワクチンの最新トレンドについて解説しました。

ここでもう一度、大切なポイントを振り返ってみましょう!

  • 今年65歳になる方
    定期接種(公費)で最新の「プレベナー20」を1回打つのが基本ルート!
  • 66歳以上でまだ打っていない方:
    東海市、阿久比町、東浦町などの独自補助を使えば、今からでもおトクに接種可能!
  • 過去のニューモバックスを打っていた方
    1年以上あけて最新の「キャップバックス(自費)」を打てば、今後は追加接種不要!
  • より手厚く予防したい・持病がある方
    プレベナー20を打った後、1年以上あけて最新の「キャップバックス(自費)」を重ねる二段構えも選択肢!

「うちの親、そういえばワクチン打ったっけ…?」そう思った方は、ぜひこの機会に「市の補助があるみたいだけど、肺炎の注射って打ったことある?」と、ご家族に声をかけてみてください。

これまでは「5年ごとに打ち直し」が必要だった肺炎球菌ワクチンですが、今の最新ワクチンは「生涯に1回(あるいは2回)」で、長く安心を手に入れることができる時代になりました。

制度や持病との兼ね合いで迷ったときは、一番の近道はかかりつけ医の先生に相談してみることです。

この記事が、あなたと大切なご家族が健康で笑顔の毎日を過ごすためのきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

\対話を重ねて「100人100通」のベストチョイスを紡ぎ、あなたと笑顔を交わしたい/
予防医療に力を入れています!

愛知県在住
加木屋たけうち内科 院長
医学博士
糖尿病/内分泌代謝科/総合内科専門医

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