肥満症は、美容の問題ではなく
医療で向き合うべき疾患です。
自己流では難しかった減量に
「医療」という選択肢があります。
私たちは、医学的根拠に基づいた減量治療を提供し、健康寿命をのばす“本質的な変化”をサポートします。
2026年4月より当院肥満症外来(自由診療)に新たな治療選択肢「ゼップバウンド」が登場します。
使用薬剤(ゼップバウンド注)について

GLP-1/GIP共受容体作動薬である「ゼップバウンド」(成分名:チルゼパチド)は、もともと2型糖尿病治療薬「マンジャロ」として開発された注射製剤で、2025年に日本で肥満症治療薬として承認されました。週1回のペン型自己注射で使用でき、医学的根拠に基づいた体重減少効果が期待できる新しい治療選択肢です。
この薬は、GLP-1の作用にて脳の食欲中枢に作用して食欲を抑え、満腹感を持続させるほか、胃の動きをゆるやかにすることで食事量を自然に減らし、無理のない減量をサポートします。この作用は既存の肥満症治療薬「ウゴービ」と同様です。
その他、GIPの作用にて内臓脂肪の燃焼・減少にも寄与することが期待されており、この作用はウゴービにはないゼップバウンド特有の作用です。
上記作用の組み合わせにより強い食欲抑制、血糖値改善、内臓脂肪軽減、肥満に伴う生活習慣病リスクの低減、肥満関連の癌のリスク軽減も期待されています。
ゼップバウンドでなぜ体重が減るのか?

- 満腹感を高め、空腹が感じにくくなる
- 高脂肪食や甘いものへの欲求や嗜好の低減
- 胃の蠕動運動を低下させる
- 栄養分の消費サイクルを早く回転させる
(脂肪酸の食後の細胞内への取り込み、空腹時の細胞外への放出を促す) - エネルギー・脂肪の消費量を増加させる可能性*
ゼップバウンドは脳(視床下部・脳幹の食事摂取の恒常的調整に関与する領域)に作用することで、満腹感を高め食欲を抑えます。また脳の別部位(中脳・視床・扁桃体の食事摂取の報酬系調整に関与する領域)にも働き、高脂肪食や甘いものへの欲求や嗜好の低減にも役立つとされています。胃に直接作用して蠕動運動を低下させることで食欲を抑制します。
*その他、脂肪酸(栄養分)の食後における細胞内取り込み、空腹時における細胞外放出を促し栄養分の消費サイクルを早く回転させます。結果、エネルギー・脂肪の消費量を増加させることが動物実験の結果で期待されています。
ゼップバウンドの減量効果①【SURMOUNT-1】
ゼップバウンドの効果は、国際的な臨床試験「SURMOUNT-1試験」で証明されています。
| SURMOUNT-1試験 | |
|---|---|
| 目 的 | 日本人を含む肥満症患者に対してゼップバウンドの実力を評価 |
| 対 象 | 2型糖尿病を有しない肥満症患者2,517例(日本人102例[全体の4%程度]) |
| 薬 剤 | ゼップバウンド5mg, 10mg, 15mg |
| 比 較 対 象 | プラセボ プラセボ=有効成分が入っていない偽薬のこと |
| 試験概要 | 72週間、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |

投与後徐々にゼップバウンドの容量を増量して72週間経過後
5mg群にて-16.0%、10mg群にて-17.8%、15mg群にて-21.4%の体重減少度を認めました。

比較的低い用量(5mg)においても
約9割の人が「5%以上の減量」、約7割の方が「10%以上の減量」、約5割の方が「15%の減量」に成功しています。
用量を増やすと更に高い減量効果を発揮し、特に高用量においてはこれまでは外科的手術でしか難しかったような大幅な体重減少(20-25%以上)を、多くの患者が達成できる可能性があります。
ゼップバウンドの減量効果②【SURMOUNT-1】
上記データは日本人以外の人種を含むデータでしたが、実際の効果については日本人単独の結果で見ることがより適切です。
| SURMOUNT-J試験 | |
|---|---|
| 目 的 | 日本人の肥満症患者におけるゼップバウンドの実力を評価 |
| 対 象 | 2型糖尿病を有しない肥満症患者 日本人単独(225例) |
| 薬 剤 | ゼップバウンド10mg, 15mg |
| 比 較 対 象 | プラセボ プラセボ=有効成分が入っていない偽薬のこと |
| 試験概要 | 72週間、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |

72週間経過後、10mg群にて-17.8%、15mg群にて-21.4%の体重減少度を認めました。

10/15mg両用量において(5%のみならず)7%減量の達成割合はともになんと9割以上と驚異的なデータです。
また全項目で15mgが10mgを上回る用量依存性が見られ、特に15/20%以上の大幅な減量を目指す場合においては、15mg群が10mg群を圧倒する高い有効性を示しています。
臨床試験の結果まとめ
| ゼップバウンド | 100kgの人なら | SURMOUNT-J | SURMOUNT-1 |
|---|---|---|---|
| 2.5 | — | — | — |
| 5.0 | 16kg減 | — | -16.0(%) |
| 7.5 | — | — | |
| 10 | 平均17-21kg減 | -17.8(%) | -21..4(%) |
| 12.5 | — | — | |
| 15 | 22kg減 | -22..7(%) | -22.5(%) |
ゼップバウンドの注意点について
注意点として最も多いのが吐き気です。副作用というよりも治療による薬理作用の一つです。
うまくこの症状を乗り切るコツについて以下ブログで紹介しています。

その他、便秘や下痢などの副作用もあります。副作用が強い場合には、薬の量を調整したり治療を中止します。
また糖尿病治療薬と同成分であることから、低血糖(空腹感、冷や汗、震え、動悸)が生じることもあります。この理由から他院で糖尿病治療を行っている方は当院肥満症外来の適応外です。
また非常に稀ではありますが重い副作用として胆のう炎・膵炎などがあります。これらの副反応を正しく判断できる医療施設での治療をお勧め致します。
費用について
| 内容 | 費用(税込) |
|---|---|
| 初回 カウンセリング | 無料 |
| ゼップバウンド(2.5mg) 4週間 | 24,000 |
| ゼップバウンド(5.0mg) 4週間 | 36,000 |
| ゼップバウンド(7.5mg) 4週間 | 47,000 |
| ゼップバウンド(10mg) 4週間 | 57,000 |
| ゼップバウンド(12.5mg) 4週間 | 66,000 |
| ゼップバウンド(15mg) 4週間 | 74,000 |
| 栄養相談 | ワンポイント栄養相談については費用は頂きません。 詳細な栄養相談(20分)を希望される方 2,000円 |
| 治療開始後の血液検査 (治療後3-6ヶ月に1回程度提案) | 無料 |
※ 上記は薬剤価格に加えて診察料・相談料・ワンポイント栄養相談・血液検査(3-6ヶ月に1回程度)が含まれます。
※ すべて自費でのお支払いとなり、保険は適用されません。
※ 価格については薬剤の仕入れ価格等により将来的に変更することがございます。
※ 一度ご自宅にお持ち帰り頂いた薬剤については(薬物の保管状況が不明であることから)返金対応は致しかねます。
当院の肥満症外来の治療対象者
以下の条件に該当する方が当院対象です。
国の適応とほぼ同条件としています。
これまでは治療対象①のみでしたが、国の適応拡大により治療対象②を拡充しました。
- 肥満でなく肥満症である。
- 高血圧・脂質異常症・糖代謝異常*を有す
*糖尿病を持つ方は糖尿病治療薬「オゼンピック」「マンジャロ」を提案します。 - 食事療法・運動療法を実践しても
体重がコントロールできない - 以下どちらかを満たす
- ① BMI 27以上かつ
2つ以上の肥満関連の健康障害を有する - ② BMI 35以上
- ① BMI 27以上かつ
- 中等度以上**の睡眠時無呼吸症候群を有す
**中等度とは医療機関で実施した睡眠検査にて無呼吸指数:15回以上のこと。 - 食事療法・運動療法を実践しても
体重がコントロールできない - BMI 27以上
その他、認定施設にて肥満症の保険診療をはじめるものの通院継続ができなかった方、保険診療の制限(最大72週間まで)にて治療継続をしたくてもできない方についても、新たに当院の治療対象に含めることとしました。
- 認定施設で肥満症の保険診療を受けてきたが、通院困難・保険診療の制限により継続できなかった方
- 上記治療対象から外れる方
- 他医療機関にて糖尿病治療中の方**
**糖尿病を持つ方は、体重減少作用のある糖尿病治療薬の使用をお勧めします。肥満症外来で用いるゼップバウンドは血糖改善作用をもつため、他院で糖尿病治療を行っている場合には、相乗効果により低血糖が生じる可能性があるため当院では診療をお受けできません。
医学的に適切な方のみを対象に肥満症治療を行います。
美容目的の不適切使用外使用は行いません。
自由診療となる理由
ゼップバウンドはいずれも、肥満症に対して保険適応を有する薬剤ですが、
- 処方可能な医療機関が大学病院・認定施設などの一部医療機関に限定されている
- 処方開始までに 6か月以上の栄養指導 が必須
- 中断後の再開にも再度長期間の条件が必要
- 投与期間にも制限がある
といった厳しい条件があり、実際に保険診療として治療を受けられる方はごく限られているのが現状です。
当院では、働く世代の方や、適切な時期に治療介入が必要な方に対し、医学的妥当性を保ちながら治療を行うため、自由診療として肥満症外来を設けています。
「肥満」と「肥満症」の違い
「肥満」と「肥満症」は、似て非なるものです。
- 肥 満 : BMI25以上で体重が多い状態
(医学的にはまだ病気ではない) - 肥満症 : 肥満により健康障害がある状態
(病気と判断される)
肥満関連の健康障害とは
- 糖代謝異常
- 高血圧症
- 脂質異常症
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患
- 脳梗塞
- 脂肪肝
- 月経異常・不妊
- 睡眠時無呼吸症候群
- 運動器疾患(腰・膝・股関節の痛みなど)
- 肥満関連腎臓病
BMI「肥満度を表す体格指数」
BMI(Body Mass Index)はボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。
中等度以上の睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群の重症度は、1時間あたりに「10秒以上、息が止まる・浅くなる回数(AHI)」で決まります。
重症度は医療機関での「睡眠検査(ポリソムノグラフィ)」を受けることで重症度が判明します。
その中で「中等度以上」とされるのは、1時間あたりのAHIの回数が「15回以上」の場合です。
⚠ 患者さんの訴えのみでは治療対象とはなりません。
「二次性肥満」について
「急に体重が増えた」という場合、背景に病気が隠れている「二次性肥満」の可能性があります。
二次性肥満とは、ホルモン異常(副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモン)や薬の副作用(ステロイド薬・心療内科で処方される薬剤など)などが原因で起こる肥満です。根本的な病気を治療しない限り、薬物療法を行っても治療が困難です。
当院の肥満症外来では、二次性肥満が疑われる方においては、はじめに保険診療にて精密検査を実施することがあります。
治療の流れ
当院は美容目的の適応外処方は行っておりません。
適応内処方ではありますが 自由診療* となります。
当院肥満症外来の治療適応があるかどうかをご確認頂き、当院の自由診療をご希望される方はLINE/WEB予約におすすみください。
- 健康保険証もしくはマイナ保険証
- お薬手帳(お持ちの方)
- 過去の血液検査検査等の結果・血圧手帳など(お持ちの方)
状況により保険診療をお勧めすることがございます、(1)をご持参ください。
当院の肥満症外来治療対象かどうかの確認のため(2)(3)を(お持ちの方は)お持ちください。

ゼップバウンドはご自身でご自宅で行う注射治療です。
ゼップバウンドによる治療は、低用量から開始して徐々に増量していきます。これは副作用を軽減し、安全に薬に慣れていただくためのステップです。
副作用がご心配な方は以下ブログを参照してください。

よくあるご質問(FAQ)
保険は適用されますか?
いいえ、自由診療です。
総合病院の一部施設では肥満症治療の保険診療が可能です。当院では総合病院での6ヶ月の栄養相談の待機時間を待てない方、総合病院への平日午前中の通院が困難な方を主な対象としています。
保険診療による肥満症治療をご希望される場合はかかりつけ医にご相談ください。
副作用が生じた場合はどうなりますか?
使用経験が豊富な医師が対応しますのでご安心ください。
適応内処方となるため、副作用が生じた場合においても国の制度(医薬品副作用被害救済制度)により救済されます。
美容目的で処方は受けられますか?
いいえ。当院では肥満症に悩む方に適応内処方を行います。
安全性が確立されていないため、当院では美容目的での処方は致しません。
針の痛みが心配です。
極細の針であり痛みは少ないと考えます。
針の痛みが心配な方は以下を参考にしてください。

ゼップバウンド治療後の生活の注意点はありますか?
ゼップバウンド治療後に多くの方が減量できますが、何が落ちるかが非常に重要です。
体重のうち脂肪を中心に落とし、なるべく筋力を落とさない対策が大切です。
① タンパクをしっかり摂取する ② 運動(特にレジスタンス運動)は必須と考えます。
副作用の対策、注意点はありますか?
以下ブログ記事を参考にしてください。

流通・品質は問題ありませんか?
製薬会社から流通の問題は生じないことを了承を得ております。
当院での肥満症外来を承認いただいた上で信頼できる薬剤卸メーカーから納品頂いています。
治療を受けるだけで痩せますか?
いいえ。
臨床試験においても食事療法を受けている方が対象となっています。
注射を打つだけでは減量効果は満足に得られません。
「食事運動を頑張っている方の背中を押す治療」とお考えください。
どれくらいの期間使用すれば体重が落ちますか?
少量から開始して体調を見ながら1ヶ月毎に徐々に増量を行います。
徐々に減量効果をお感じになれますが、目立った減量効果を実感できるのは3ヶ月程経過後になると思います。
臨床試験の結果は、72週間後のデータとなります。
目標体重に達したらすぐに中止してもよいですか?
いいえ。
急な中止はリバウンドのリスクとなります。
医師と相談しながらゆっくりと漸減中止(もしくは少量で維持する)をお勧めします。

ゼップバウンドとウゴービはどちらが良いですか?
どちらも肥満症治療薬として非常に効果の高い薬剤です。
ゼップバウンドは以下特徴があります。
① 低用量(5mg)でも減量効果が期待できる
② 高用量(10mg以上)にした場合にはウゴービよりも強い体重効果が得られやすい
①→費用が気になるので低容量で使用したい方
②→費用がかかっても強い減量効果を期待する方
についてはゼップバウンドを推奨します。
おわりに
肥満症は、美容の問題ではなく
医療で向き合うべき疾患です。
私たちは、医学的根拠に基づいた減量治療を提供し、健康寿命をのばす“本質的な変化”をサポートします。
いまの体を変えることは、未来の自分への投資です。
一緒に、健康的な生活への一歩を踏み出しましょう!










